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【記事監修】 現役薬剤師(現場経験15年以上)

  • ✅ 監修者:当サイト提携薬剤師
  • ✅ 専門資格:認定薬剤師、認定実務実習指導薬剤師
  • ✔ 15年以上にわたり、累計10万枚以上の処方箋を扱った豊富な臨床経験。
  • ✔ 大学病院門前薬局での高度な専門処方(がん治療・難病薬)対応実績あり。
  • ✔ 地域薬局・ドラッグストアでの一般の方への服薬指導・健康相談実績多数。
  • ✔ 本記事は、公的データ(厚生労働省等)に基づき、監修者が内容の正確性と安全性を確認しています。

子供が急に高熱を出すと、「何度から解熱剤を使うべき?」「40度近いのに薬が効かない…」と不安になりますよね。

この記事では、現場で小児の服薬指導に関わる薬剤師の視点から、発熱時の解熱剤の使い方・タイミング・間隔と、いつ医療機関を受診すべきかの目安を分かりやすく整理します。

体温の数字だけにとらわれず、お子さんの様子を見ながら安全に対処するためのポイントを、国内の公的情報・添付文書などに基づいて解説します。

なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の症状に対する診断や治療を行うものではありません。

お子さんの状態に不安がある場合や、ここで示す内容に当てはまらないと感じる場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。

 

結論|子供の解熱剤は何度から?熱の数字より「つらさ」を基準に判断

一般的に、子供の解熱剤は「38.5度前後以上」が1つの目安とされることが多いですが、実際には体温そのものよりも「どれだけつらそうか」が重要な判断材料になります。

発熱は体がウイルスなどの病原体と戦うための防御反応であり、熱を下げること自体が治療の目的ではなく、「つらい症状を和らげて、水分摂取や睡眠をとりやすくする」ことが主な目的です。

たとえば、39度台でも比較的元気で水分が取れている場合には、必ずしも解熱剤を使用する必要はありません。

一方で、38度台前半でもぐったりして水分をあまり飲めない、頭痛や喉の痛みで眠れないなど、明らかにつらそうな場合には、医師や薬剤師の指示に基づき解熱剤の使用を検討します。

このような考え方は、小児科領域で一般的に推奨されている「熱=下げるべきもの」ではなく、「つらさの軽減が目的」という考え方と整合しています。

 

子供の解熱剤は何度から使う?年齢別・判断基準と適切なタイミング

38.5度前後が目安とされる理由

小児の発熱に対して解熱剤を使う「目安」として、38.5度前後が取り上げられることが多い背景には、体温が高くなるほど心拍数や呼吸数が増え、体力の消耗や不快感が強くなりやすいという点があります。

このため、発熱に伴うぐったり感や食欲低下、眠れないほどの不機嫌などが出やすくなる温度として、38.5度前後が1つの実務的な基準になっています。

ただし、この数字はあくまで「一般的な目安」であり、必ずしも全ての子どもに当てはまるわけではありません。

普段元気で体力のある子と、持病をもっている子とでは、同じ体温でも負担の大きさが異なる可能性があります。

慢性疾患や基礎疾患があるお子さんについては、主治医から個別の指示が出ていることもあるため、それを優先してください。

 

解熱剤は熱の高さより子供の様子を優先する理由

発熱時の解熱剤使用で大切なのは、「体温計の数字だけで決めない」という点です。

例えば次のような場合には、体温が高くても様子を見ながら慎重に判断します。

  • 39度前後あるが、遊んだり会話ができる程度に元気がある
  • 水分や母乳・ミルクを普段どおり、または少し減る程度には摂取できている
  • ぐっすり眠れていて、時々目を覚ましても機嫌が極端に悪くない

 

一方で次のような場合は、体温が38度台でも解熱剤の使用を検討することがあります。

  • 頭痛・関節痛・喉の痛みなどで泣き続けている
  • 不快感のためにほとんど眠れず、ぐったりしている
  • 水分をほとんど飲めず、脱水が心配な状態になっている

 

このように、同じ38〜39度の熱でも、お子さんの表情・機嫌・水分摂取量・睡眠の状態などを総合的に見て判断することが大切です。

家庭では「数字だけで慌てない」ことを意識すると、必要以上に解熱剤に頼らずにすむケースもあります。

 

子供に使うアセトアミノフェンの用量と間隔|坐薬・飲み薬の注意点

子供の解熱剤として広く用いられている成分の1つがアセトアミノフェンです。

アセトアミノフェンは、日本でも小児の解熱・鎮痛薬として広く使用されており、用量や投与間隔に関しては医薬品の添付文書で詳しく規定されています。

 

投与間隔は4〜6時間以上あける

アセトアミノフェンの小児用量については、医療用製剤の添付文書で「体重1kgあたり10〜15mgを4〜6時間以上の間隔で投与し、1日総量は60mg/kgまでを限度とする」といった内容が示されています。

この考え方は、小児における安全な使用の目安として医療現場でも広く参照されています。

 

通常、乳児、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10〜15mgを経口投与し、投与間隔は4〜6時間以上とする。

なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として60mg/kgを限度とする。

出典:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「アセトアミノフェン」添付文書
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/630169_1144004F1039_1_09

 

例えば体重10kgのお子さんの場合、1回量はアセトアミノフェンとして100〜150mgが目安となり、1日総量は600mgが上限となります。

解熱剤を使用した後は、少なくとも4時間以上、できれば6時間程度は次の投与を控え、1日の合計量がこれを超えない範囲で使用することが、安全性の面から重要です。

 

坐薬と飲み薬の併用は同じ1回分として考える

アセトアミノフェンは、シロップ・粉薬・錠剤・坐薬など、さまざまな剤形で市販薬・処方薬として利用されています。

成分が同じであれば、坐薬と飲み薬を「別の薬」と考えるのではなく、「同じ成分の別の形」として合算して考える必要があります。

例えば、坐薬を入れた直後に十分な時間が経過していないのに、「効かないから」と飲み薬を追加することは、結果的に1回量や1日量を超えてしまうリスクがあります。

アセトアミノフェンは適切な用量であれば安全性の高い薬とされていますが、過量になると肝機能障害などの重い副作用のリスクが高くなることが知られています。

そのため、「坐薬+飲み薬」は1回としてカウントし、投与間隔と総量の両方に注意してください。

 

Q&A形式で疑問を解消!【現場の薬剤師からのアドバイス】

Q. 手足が冷たくてガタガタ震えています。

このタイミングで解熱剤を使っても大丈夫?

A. 手足が冷たくて震えているときは、「熱がこれから上がっていく途中」であることが多いです。

この段階では体が熱をつくろうとしているため、解熱剤を使っても十分な効果が出にくいことがあります。

まずは布団や衣類で冷えすぎないようにし、手足が温まって体全体がポカポカしてきたあたりが、解熱剤の効果が出やすいタイミングです。

実際の現場でも、「震えが落ち着いて、顔や体が熱くなってきた頃」に使用するようお伝えすることが多く、お子さんの様子を見ながら落ち着いたタイミングで使うと、効き方もイメージしやすくなります。

【薬剤師からのお願い】

解熱剤は「熱をゼロにする薬」ではなく、「つらさを一時的に和らげる道具」です。

体温が一時的に下がっても、病気そのものが治ったわけではないため、無理に活動量を増やすと回復が遅くなることがあります。

兄弟間での薬の使い回しや、大人の薬を割って飲ませるといった行為は、お子さんの体重に合わない過量投与につながるおそれがありますので控えてください。

心配なときは、お薬手帳を持参して薬局で相談していただければ、現在の体重に合わせた用量や、ほかの薬との飲み合わせについても丁寧に確認できます。

 

子供が40度の高熱でも解熱剤が効かないと感じる理由

40度近い高熱は見た目にもインパクトが大きく、「脳に影響が出ないか」「後遺症が残らないか」と不安になる方も少なくありません。

ただし、多くのウイルス性の発熱では、体温が高いこと自体がすぐに脳障害につながるわけではなく、重要なのは意識状態や水分摂取、呼吸の様子などの全身状態です。

解熱剤を使用しても、すべてのケースで平熱近くまで下がるわけではありません。

1度程度の解熱であっても、お子さんが少し楽になって水分が飲めるようになったり、眠れるようになったりするのであれば、薬は一定の役割を果たしていると考えられます。

「数字があまり変わらない=効いていない」と捉えるのではなく、「本人のつらさが軽くなっているか」という視点で見てあげると安心しやすくなります。

 

解熱剤が効かない時に家庭でできるケア

解熱剤だけでは十分に熱が下がらないと感じるときには、家庭でできるケアを組み合わせることで、お子さんの負担を軽くできることがあります。

代表的なのは「クーリング(体を冷やすこと)」と「こまめな水分補給」です。

 

クーリングの正しいやり方と注意点

おでこに貼る冷却シートは、ひんやりと気持ちよく感じられる一方で、体温を大きく下げる効果は限られます。

体の熱を効率的に逃がすには、血流の多い部分を冷やすのがポイントです。

  • 両わきの下
  • 足の付け根(鼠径部)
  • 首の横(太い血管が通る部分)

これらの部位を冷たいタオルや保冷剤(必ずタオルで包む)などで優しく冷やすと、体の熱が外に逃げやすくなります。

ただし、冷やしすぎると震えが強くなってかえって負担になることもあるため、「気持ちよさ」を目安にし、嫌がる場合は無理に続けないようにしましょう。

 

水分補給と脱水を見極めるサイン

高熱時には汗や呼吸から水分が失われやすく、脱水のリスクが高まります。

少量ずつでもよいので、経口補水液や乳幼児向けの飲料などをこまめに与えることが重要です。

スプーン1杯ずつでも、頻回に飲ませることで全体の摂取量を増やしやすくなります。

家庭で確認しやすい脱水のサインとしては、尿の回数が極端に少ない(半日以上出ていない)、口や唇が強く乾いている、泣いても涙が出にくいなどがあります。

このようなサインが見られる場合には、解熱剤の使用とともに、早めに医療機関での評価を受けることが望まれます。

 

坐薬が出てきた・溶けていた時の正しい再投与の考え方

小児では、シロップや粉薬を嫌がる場合に坐薬が処方されることも多くあります。

坐薬を入れた後に便と一緒に出てきてしまった場合、「もう一度入れてよいか」がよく相談されるポイントです。

一般的には、「挿入からの経過時間」と「坐薬の形の残り方」が判断の目安になります。

挿入後15分以内に出た場合の対応

坐薬を入れてから15分以内に、ほとんど元の形のまま排出された場合には、薬剤成分が十分に吸収されていない可能性が高いと考えられます。

このようなケースでは、同じ量の坐薬を新たに入れ直すことが検討されますが、具体的な対応については、処方を行った医師や薬剤師からの指示が優先されます。

30分以上経過している場合の注意

一方で、坐薬挿入から30分以上経過してから出てきた場合や、形が崩れて溶けている場合には、ある程度の成分がすでに吸収されている可能性が高くなります。

この状態で再度同じ量を入れると、結果的に1回量・1日総量が多くなり、過量投与につながるおそれがあります。

そのため、このような場合は自己判断での追加投与は控え、次に使用できる時間(4〜6時間以上あける)まで様子を見ることが基本的な考え方になります。

 

子供の解熱剤で注意すべき副作用と避けたい自己判断

アセトアミノフェンは、小児においても比較的安全性が高い薬とされていますが、まれに発疹・かゆみ・食欲不振・倦怠感などの副作用が現れる場合があります。

服用後にいつもと明らかに違う発疹やぐったり感が見られた場合には、すみやかに医療機関に相談してください。

一般家庭では、子供には必ず小児用として適切に設計された製剤を使用し、成分や対象年齢を確認することが重要です。

 

【薬剤師からのお願い】

「家にあるから」という理由だけで、大人用の解熱剤や兄弟の残りの薬を使うことは避けてください。

成分や用量が合わない薬は、副作用のリスクを高めるだけでなく、本来必要な治療が遅れる原因にもなり得ます。

また、解熱剤を使って一時的に元気になっても、保育園・幼稚園・学校などに無理に登園・登校させると、本人の負担が大きくなるだけでなく、周囲への感染拡大にもつながります。

気になる点があれば、受診時や薬局で遠慮なく質問していただき、一緒に安全な使い方を確認していきましょう。

 

今すぐ受診すべき症状とは?子供の高熱で危険なサイン

発熱そのものは多くの場合ウイルス感染などによる一過性の反応ですが、中には早急な評価・治療が必要な病気が隠れていることもあります。

次のような症状が見られる場合には、夜間や休日であっても早めに医療機関への相談・受診を検討してください。

 

緊急性が高い症状の具体例

  • 生後3か月未満の赤ちゃんで、38度以上の発熱がある
  • 呼びかけに反応しにくい、いつもと明らかに様子が違う(ぐったりしている、目が合いにくいなど)
  • 水分をほとんど受け付けず、おしっこが半日以上出ていない
  • 何度も繰り返す激しい嘔吐や、止まらない下痢が続いている
  • けいれんを起こした(特に5分以上続く場合や、繰り返す場合)
  • 息が苦しそうで、肩で息をしている/胸が大きくへこむ/唇や顔色が紫っぽいなどの呼吸状態の悪化がみられる

 

これらのサインがある場合、解熱剤の有無に関わらず、発熱以外の要因も含めた全身状態を医師に評価してもらうことが重要です。

地域の小児救急電話相談(#8000など)では、症状に応じた受診の目安や、どの診療科にかかるべきかのアドバイスを受けられる場合がありますので、迷ったときに活用することも1つの方法です。

 

市販の子供用解熱剤の選び方|坐薬・飲み薬のポイント

病院をすぐに受診できない時間帯の備えとして、市販の小児用解熱剤を常備しておく家庭も少なくありません。

選ぶ際には、成分と対象年齢、そしてお子さんが飲みやすい形状かどうかを確認するとよいでしょう。

  • 有効成分として「アセトアミノフェン」と記載されている製品を選ぶ
  • 製品ごとに設定されている対象年齢・体重の目安を確認する
  • シロップ・粉薬・坐薬など、嫌がらずに使えそうな剤形を選んでおく

使用前には必ず添付文書を読み、体重に応じた用量・投与間隔・1日の最大回数を守ることが大切です。

既に医療機関から処方された解熱剤を持っている場合は、市販薬を併用しない方が安全なケースもありますので、処方薬がある場合には、基本的にはそちらの指示を優先しましょう。

 

まとめ|子供の解熱剤が効かない時に親が知っておくべき判断基準

  • 子供の解熱剤は「何度から」ではなく、つらさや水分摂取の可否を基準に使う。
  • 38.5度前後は目安だが、元気で水分が取れていれば必ずしも使用は不要。
  • 40度の高熱でも、解熱剤は完全に下げる薬ではなく症状緩和が目的。
  • アセトアミノフェンは4〜6時間以上間隔を空け、坐薬と飲み薬は合算管理。
  • ぐったり・水分が取れない・意識が違う場合は速やかに受診を検討。

【重要:免責事項とお願い】

この記事は認定薬剤師である監修者の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。

特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。

個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、必ず服用されている薬の主治医または薬剤師にご相談ください。
(※特に処方薬に関するアドバイスは、必ずお薬をもらった調剤薬局の薬剤師にご確認ください。)

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