マグネシウムの取りすぎで下痢・吐き気?薬剤師が副作用とその対処法を解説!

マグネシウムは体にとって大切な栄養のひとつですが、「体にいいから」と思ってたくさん取りすぎると、逆に体調をくずしてしまうことがあります。

特に、下痢や吐き気などの症状が出ることがあり、サプリメントや便秘薬を使っている方は注意が必要です。

この記事では、マグネシウムの取りすぎによって起こる症状や、その対処法をわかりやすくご紹介します。

 

マグネシウムの取りすぎで起こる症状とは?

マグネシウムを取りすぎたときに出やすい症状は、以下のようなものです。

 

  • 下痢(おなかがゆるくなる):マグネシウムは水を引き寄せる働きがあるため、腸の中に水分がたまりやすくなり、便がゆるくなります。
  • 吐き気や気持ち悪さ:体が「マグネシウムが多すぎる」と感じると、吐き気が出ることがあります。
  • だるさ・眠気:量がかなり多くなると、体が重く感じたり、ぼーっとしたりすることも。
  • 脈が遅くなる・呼吸が苦しくなる:これはかなり危険な状態で、すぐに病院に行く必要があります。

 

マグネシウムって体に良いイメージしかなかったから、こんな症状が出るなんて驚きですね…。

そうなんです。

特に便秘薬でマグネシウムを飲んでいる方は、まさか自分の体調不良の原因がそれだとは思わないかもしれませんね。

 

マグネシウムは魚や豆などの食べ物に含まれている分には、取りすぎても体にたまらず、おしっこと一緒に出ていくので心配はいりません

 

でも、サプリや薬からたくさん取ると、体に負担がかかることがあります。

特に、医師や薬剤師の指示がないのに、自分の判断で多めに取ってしまうと、下痢や吐き気、だるさなどの不調が出ることも。

サプリや薬から取るマグネシウムには「これ以上はダメ」という上限が決まっているので、安心して使うためにも、量には気をつけましょう。

 

マグネシウムの安全な上限値 サプリメントおよび薬に含まれるマグネシウムの上限
生後0-12カ月 設定数値なし
子供1-3歳 65 mg
子供4-8歳 110 mg
子供9-18歳 350 mg
成人 350 mg

厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』

 

マグネシウムをどれくらい取るのが「ちょうどいい」?

体にとって必要な量は、年齢や性別によって少し違いますが、だいたい以下が目安です。

 

成人性別 摂取推奨量
男性 400–420 mg
女性 310-320 mg


厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』

 

これは、ふだんの食事(魚や海藻、豆類など)でとる分は問題ありません。

ただし、サプリメントや便秘薬などでプラスして取る場合は、サプリや薬からの摂取量は、成人で1日350mgを超えないようにしましょう。

なお、便秘などの治療で医師から処方された薬は、350mgを超える用量が処方されることがありますが、医師の指示に従って使用してください。安心して服用して問題ありません。

 

食事で摂る分は大丈夫ってところが安心しました!

でもサプリと合わせると、意外と上限って低いんですね。

ええ、複数のサプリメントを併用していると、気づかないうちに過剰摂取になっているケースもよくありますよ。

 

どんなときに取りすぎになりやすいの?

① サプリメントをいくつも飲んでいる

健康のためにサプリをいろいろ飲んでいる人は、知らないうちにマグネシウムが重なっていることがあります。

商品ラベルをチェックして、1日の合計を確認しましょう。

 

② 便秘薬を使っている

酸化マグネシウムという薬は、便秘に使われることがありますが、飲みすぎるとマグネシウムがたまりすぎてしまうことがあります。

特に、高齢の方や腎臓が弱い人は注意が必要です。

 

③ 水やミネラルの多い飲み物をたくさん飲む

ミネラルウォーターの中にはマグネシウムが多く含まれているものもあります。知らずにたくさん飲むと、過剰になる可能性があります。

 

ダイエットや便秘などに効果があるといって摂取されている「にがり」(主成分は塩化マグネシウム)やサプリメントなど、通常の食事以外でマグネシウムを過剰に摂取すると、下痢を起こすことがあります。

健康長寿ネット

 

マグネシウムを取りすぎたときの対処法

 

「もしかして取りすぎたかも?」と思ったときは、次のように対処しましょう。

① サプリや薬をやめる

「まずはサプリや薬を中止することも考えられますが、不安があるときは医師や薬剤師に相談しましょう。

マグネシウムの摂取が止まれば、多くの場合は自然に改善することもありますが、症状が続く場合は医師の診察を受けてください。

 

② 水分をしっかり取る

下痢などで水分が出てしまうことがあるので、こまめに水やスポーツドリンクなどを飲んで、体の中の水分を保ちましょう。

 

③ 症状が強い・長引くときは病院へ

吐き気が続く、体がだるくて動けない、呼吸が苦しいなどの強い症状がある場合は、すぐに病院を受診してください。

 

まさか、体に良いと思ってたマグネシウムも、摂りすぎにはこんなリスクがあったとは…。

今日の記事で本当に勉強になりました!

 

それは良かったです。

皆さんが安心して健康管理できるよう、正しい情報を発信していくことが私たちの役割ですから。

 

まとめ:体にいいマグネシウムも、取りすぎはNG!

 

  • マグネシウムは体に必要な栄養素だが、摂りすぎると体調不良の原因となる
  • 主な症状は下痢、吐き気、だるさ、重症化すると脈が遅くなるなどの危険な状態も
  • 推奨摂取量は性別・年齢で異なり、サプリメントや便秘薬での追加摂取は特に注意が必要
  • 過剰摂取の原因はサプリの複数使用、酸化マグネシウム製剤の服用、ミネラルウォーターの多飲など
  • 対処法として、まずはサプリや薬の中止、水分補給が重要
  • 症状が強い場合や長引く場合は速やかに医療機関を受診する
  • サプリや薬を利用する際は、表示を確認し適量を守ることが大切
  • 不安な場合は薬剤師や医師に相談を推奨

※本記事は薬剤師による監修のもとで執筆していますが、すべての人に当てはまるわけではありません。体調がすぐれない場合は、医療機関での診察を受けてください。

 

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