

【記事監修】 現役薬剤師(現場経験15年以上)
- ✔ 監修者:当サイト提携薬剤師(薬剤師免許取得済)
- ✔ 15年以上にわたり、累計10万枚以上の処方箋を扱った豊富な臨床経験。
- ✔ 大学病院門前薬局での高度な専門処方(がん治療・難病薬)対応実績あり。
- ✔ 地域薬局・ドラッグストアでの一般の方への服薬指導・健康相談実績多数。
- ✔ 本記事は、公的データ(厚生労働省等)に基づき、監修者が内容の正確性と安全性を確認・保証しています。
マグネシウムは、私たちの健康維持に欠かせない重要なミネラルです。
しかし、現代の食生活では不足しがちだと言われています。
マグネシウムが豊富な飲み物や食べ物には、ミネラルウォーター、アーモンド、ひじき、豆腐などがあり、これらを意識して日常的に取り入れることが、体調を整える第一歩です。
この記事では、マグネシウムの働きから、不足による体のサイン、そして効率的な摂取方法まで、一般の方にも分かりやすく解説します。ご自身の健康管理に役立てるために、ぜひ最後までご覧ください。
マグネシウムの働きとは?体を支える300以上の酵素を助ける重要な役割

マグネシウムは体内でどんな働きをする?300種類以上の酵素をサポート
マグネシウムは、私たちの体を構成する必須ミネラルの一つで、その働きは非常に多岐にわたります。
体内の約半分は骨に蓄えられ、残りは筋肉や神経、脳といった重要な組織に広く分布しています。
特に重要なのは、体内で起こる300種類以上もの酵素反応をサポートしている点です。
- エネルギー生成:食べ物から活動に必要なエネルギーを生み出す代謝プロセスに不可欠です。
- 神経・筋肉の働き:神経から筋肉への情報伝達をスムーズにし、筋肉が正常に収縮・弛緩するのを助けます(足のけいれん予防にも関与)。
- 血圧調整・心臓の健康:血管を広げて血圧を適切に保ったり、不整脈を防いだりする役割も担っています。
まさに、私たちの健康を多方面から支える「縁の下の力持ち」と言えます。
Q&A形式で疑問を解消!【現場の薬剤師YSのアドバイス】
Q. マグネシウムは、サプリメントで摂っても問題ないですか?
A. 食事からの摂取が基本ですが、不足が心配な場合はサプリメントも有効な選択肢です。ただし、過剰摂取すると下痢を引き起こすことがあるため、パッケージに記載された用法・用量を守り、持病がある方は必ず主治医や薬剤師に相談してください。特に腎機能が低下している方は注意が必要です。
マグネシウムを効率よく摂るには?吸収を高める食べ合わせとコツ
摂取したマグネシウムは、主に小腸から体内に吸収されます。
吸収効率を高めるために、一緒に摂りたい栄養素があります。それは、ビタミンDです。
ビタミンDは、鮭やきのこ類(特に干し椎茸)に豊富に含まれており、これをマグネシウム含有量の多い食品と組み合わせて摂るのがおすすめです。
【薬剤師からの現場の知見】
薬局でビタミンDのサプリメントを推奨する際、同時にマグネシウム摂取も勧めることが多いです。
これは、ビタミンDの適切な働き(骨からのマグネシウム放出を防ぐなど)をサポートし、体内のマグネシウムバランスを良好に保つためです。
一方で、カルシウムやリンを過剰に摂取すると、マグネシウムの吸収が妨げられることもあるため、バランスの取れた食事が最も重要になります。
マグネシウム不足のサインとは?疲れ・不眠・集中力低下の原因かも

なぜ現代人はマグネシウム不足になりやすい?食生活とストレスの関係
現代の食生活は、白米や精製されたパン、加工食品が中心になりがちです。
これにより、マグネシウムだけでなく、カリウムや食物繊維といった重要なミネラルや栄養素が不足しやすくなっています。
- 精製食品の増加: マグネシウムは穀物の外皮などに多く含まれますが、精製過程で失われやすいです。
- ストレスの増加: 強いストレスは、体内のマグネシウム消費を増やし、排泄を促すことが知られています。
薬剤師としての視点から見ると、このような生活環境の変化が、自覚のないマグネシウム不足を引き起こしている一因だと考えられます。
Q&A形式で疑問を解消!【現場の薬剤師YSのアドバイス】
Q. ストレスが多いと感じているのですが、マグネシウムの摂取量を増やすべきでしょうか?
A. ストレス時はマグネシウムの消費が増えるため、意識的な摂取は重要です。ただし、まずは食事で海藻類やナッツ類を積極的に摂ることから始めましょう。サプリメントで高用量を摂る前に、現在の症状について医師や薬剤師にご相談いただくのが安全です。安易な自己判断での過剰摂取は避けてください。
マグネシウム不足で起こる症状まとめ|筋肉のけいれん・不眠・イライラ
マグネシウムは体内で多様な機能に関わっているため、不足するとさまざまな不調を引き起こす可能性があります。
- 1. 筋肉のけいれん・こむら返り:特に夜間、足のふくらはぎなどがつりやすくなります。(現場での相談が最も多い症状です)
- 2. 不整脈:心臓の拍動リズムを整える機能が乱れることがあります。
【重要】不整脈の症状がある方は、自己判断せず、必ず循環器内科を受診してください。不整脈の原因はマグネシウム不足だけとは限りません。
- 3. 慢性的な疲労感・集中力の低下:エネルギー生成がスムーズに行われず、だるさや疲れを感じやすくなります。
- 4. イライラや不安感:神経伝達に関わるため、精神的な安定が保ちにくくなることがあります。
これらの症状に心当たりがある場合は、食生活を見直すきっかけとしてマグネシウム摂取を意識してみましょう。
マグネシウムとメンタルの関係|ストレス・集中力・睡眠への影響

マグネシウムがストレスを和らげる仕組みとは?心を落ち着かせる栄養学
マグネシウムは、「天然の精神安定剤」と呼ばれるほど、心の健康に深く関わっています。
これは、マグネシウムが神経細胞の興奮を抑える働きを持つためです。
強いストレスを感じると、体内のアドレナリンなどの興奮物質が増加しますが、マグネシウムはこれらに対抗し、神経を落ち着かせ、リラックスを促す作用があります。
【現場の知見】
不眠や不安を訴える患者さんに対し、生活習慣の指導をする際、マグネシウム豊富な食品を夜の食事に取り入れることを推奨することがあります。
体の中からリラックスをサポートし、薬に頼る前に試せる方法として有効です。
Q&A形式で疑問を解消!【現場の薬剤師YSのアドバイス】
Q. 酸化マグネシウムを便秘薬として使っているのですが、これをマグネシウム不足解消に使っても良いですか?
A. 酸化マグネシウムは「便を柔らかくする」便秘薬であり、体内で吸収されにくい性質があります。不足解消の目的で大量に飲むと、便が緩くなりすぎたり、腎機能低下のある方は高マグネシウム血症のリスクを高めるため、必ず医師または薬剤師の指示された目的と用量でご使用ください。不足解消には、食品や栄養補助食品で補うのが適切です。
マグネシウムで集中力アップ&睡眠改善!脳と神経にうれしい効果
マグネシウムは、脳の神経伝達物質の合成にも関与しており、これが集中力や記憶力の維持に役立っています。
また、睡眠の質を高めるためには、体が十分にリラックスしていることが重要です。
マグネシウムは、睡眠ホルモンであるメラトニンの生成を助けたり、筋肉を弛緩させたりすることで、深い眠り(ノンレム睡眠)をサポートする役割も担っています。
マグネシウムを多く含む食品一覧と、効率的な摂り方のコツ

マグネシウムが豊富な食材リスト|ナッツ・海藻・豆類など手軽に摂れる食品
マグネシウムを豊富に含む食品は多岐にわたりますが、ここでは特に日常の食事に取り入れやすいものを中心にご紹介します。
| カテゴリ | 食品例 | 取り入れ方のコツ |
|---|---|---|
| 海藻類 | 乾燥ひじき、昆布、わかめ | 味噌汁の具や、和え物、煮物に。ひじきは少量で多くのマグネシウムが摂れます。 |
| ナッツ類 | アーモンド、カシューナッツ、くるみ | 無塩・素焼きのものを、小腹が空いた時のおやつや、サラダのトッピングに。 |
| 豆類・種実類 | 豆腐、納豆、枝豆、きな粉 | 毎日の食事に手軽に取り入れやすく、タンパク質も豊富です。 |
| 穀類 | 玄米、雑穀、全粒粉パン | 主食を白米から変えるだけで、意識せず継続的に摂取できます。 |
| 飲み物 | マグネシウムを多く含むミネラルウォーター | 普段飲む水をこれに変えるだけで、手軽に補給できます。成分表示をチェックしましょう。 |
マグネシウムを逃さない調理法&吸収率を高める工夫
マグネシウムは水に溶けやすい性質があるため、調理法を工夫することが大切です。
- 汁物・煮物で摂る: 味噌汁やスープなど、煮汁ごと食べられる料理なら、溶け出したマグネシウムを無駄なく摂取できます。
- 蒸す・焼く: 茹でるよりも、蒸したり焼いたりする方が、水に溶け出すのを防げます。
- 吸収率アップ: ビタミンDを豊富に含む鮭やきのこ類(干し椎茸など)を一緒に調理しましょう。
例えば、「わかめと豆腐の味噌汁」は、マグネシウムを豊富に含む食材を汁ごと摂れるため、非常に効率的なメニューです。
まとめ|マグネシウムの効果と摂取のポイントをおさらい
マグネシウムは、現代人が不足しがちな重要なミネラルであり、エネルギー、筋肉、神経、そしてメンタルヘルスに至るまで、全身の健康を支える役割を担っています。
日々の食生活でマグネシウムを意識して摂取し、健やかな毎日を送りましょう。
【マグネシウム摂取の重要ポイント】
- 基本的な摂取源: 海藻類、ナッツ類、豆類、未精製穀物を意識的に取り入れる。
- 効率的な摂り方: ビタミンDが豊富な食材(きのこ、鮭など)と組み合わせて吸収率アップ。
- 注意すべき点(リスク情報): 便秘薬(酸化マグネシウムなど)は、腎機能が低下している方や高齢者は「高マグネシウム血症」のリスクがあるため、医師・薬剤師の指導のもと、正しく使用する。
情報源(出典)
- 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「マグネシウム」
(マグネシウムの働き、300種類以上の酵素活性化に関する記述の根拠)
- 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 統合医療情報発信サイト(eJIM)
(ミネラルに関する一般的な作用・安全性情報の参照)
【重要:免責事項とお願い】
この記事は薬剤師の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。
特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。
個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、必ず服用されている薬の主治医または薬剤師にご相談ください。

