

【監修・運営責任者】 現役 管理薬剤師 兼 運営マネージャー
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- ✔ 15年以上にわたり、累計10万枚以上の処方箋を扱った豊富な臨床経験。
- ✔ 大学病院門前薬局での高度な専門処方(がん治療・難病薬)対応実績あり。
- ✔ 地域薬局・ドラッグストアでの一般の方への服薬指導・健康相談実績多数。
- ✔ 本記事は、各製品添付文書・産婦人科学的知見に基づき、監修者が内容の正確性と安全性を確認しています。
✔ 妊娠時期別(初期・中期・後期)に注意すべきポイント
✔ 頭痛・発熱に使えるのはアセトアミノフェンのみという理由
✔ 便秘・胃痛・鼻炎症状への市販薬の考え方
✔ 妊娠後期に絶対避けるべきNSAIDs(イブプロフェン等)
✔ 自己判断ではなく必ず確認すべき理由
妊娠中に頭痛や発熱、つらい便秘などの症状が出たとき、「市販薬を飲んでお腹の赤ちゃんに影響はない?」「我慢するほうが体に悪いの?」と不安になる妊婦さんは少なくありません。
妊娠中に使える市販薬は症状ごとに非常に限られています。
発熱・頭痛ではアセトアミノフェンが選択されることがありますが、市販薬を使用する際も必ず医師または薬剤師へ相談し、必要最小限の使用にとどめることが重要です。
NSAIDs(イブプロフェン・ロキソプロフェンなど)は妊娠後期に使用すると胎児の動脈管収縮・羊水減少のリスクが指摘されているため使用を避けてください。
どの症状であっても、まず産婦人科医または薬剤師への相談を優先することが最も安全な選択です。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の妊娠週数・体質・既往歴によって判断が異なります。市販薬を使用する前は必ず産婦人科医または薬剤師に相談し、自己判断での服用は避けてください。
妊娠時期別の注意点【まず知っておくべきこと】
【図①】妊娠時期別の薬への注意点
| 時期 | 週数の目安 | 注意すべきこと |
|---|---|---|
| 妊娠初期 | 〜13週(特に4〜12週) | 赤ちゃんの器官形成期であり、薬の使用には特に慎重な判断が必要な時期です。体調が許す場合は安静・水分補給などを優先し、薬を使用する際は必ず医師・薬剤師へ相談してください。 |
| 妊娠中期 | 14〜27週 | 器官形成はほぼ終わるが、胎盤を通じて薬の成分が届きやすくなる時期 |
| 妊娠後期 | 28週〜出産 | NSAIDs(イブプロフェン等)は禁忌。胎児の動脈管収縮・羊水減少のリスク |
※図①:妊娠時期別の薬への注意点(gran-clinic.jp作成・産婦人科学的知見に基づく)
症状別・妊娠中の市販薬の考え方
頭痛・発熱:アセトアミノフェンが基本的な選択肢
妊娠中の発熱・頭痛には、アセトアミノフェンが比較的安全と考えられています。
妊娠中でも産婦人科で処方される解熱鎮痛薬の多くがアセトアミノフェンです。
市販薬ではタイレノールA・ラックルなどがアセトアミノフェン単剤製品として該当しますが、添付文書上、妊婦への投与は「治療上の有益性が危険性を上回る場合に限定」とされており、必要最低限の服用にとどめることが基本です。
妊娠後期にイブプロフェン・ロキソプロフェンなどのNSAIDsを使用すると、胎児の動脈管収縮・羊水減少のリスクが指摘されています。市販薬には「ロキソニンS」「イブ」などNSAIDs配合の製品が多いため、妊娠中は成分表示を必ず確認し、自己判断での使用は避けてください。
👉 カロナールとロキソニンの違いはこちら
便秘:酸化マグネシウムが選択肢になりやすい
妊娠中はホルモンの影響・大きくなった子宮による腸管の圧迫で便秘になりやすい時期です。
酸化マグネシウムには緩下作用があり、妊娠後期まで使用できる成分として知られています。
ただし便秘薬の成分がお腹の赤ちゃんに直接的な悪影響を与える心配は少ないとされる一方、効き目が強すぎる薬は急激な腹痛を伴うことがあるため、使用前に産婦人科医への相談が推奨されます。
便秘改善にはまず水分摂取・食物繊維を意識した食事・適度な運動(ウォーキングなど)を優先し、それでも改善しない場合に薬を検討するのが基本です。
👉 市販便秘薬の選び方はこちら
胃痛・腹痛:自己判断で市販薬を使わず、まず原因を確認する
胃痛や腹痛は原因によって治療法が異なるため、市販薬を自己判断で使用せず、まずは産婦人科または医療機関へ相談しましょう。
ただし、妊婦さんの胃痛の原因が「つわり」や後期特有の「逆流性食道炎(胃酸の逆流)」である場合は対処法が異なるため、まずは産婦人科で相談しましょう。
胃薬は一般的に大きな影響はないとされていますが、産婦人科では妊婦・胎児に問題のない薬を選んで処方するため、まず相談することが推奨されます。
鼻水・鼻づまり(アレルギー性鼻炎):クロルフェニラミン・ロラタジンが選択肢になりやすい
抗ヒスタミン成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩は妊娠後期まで使用できる成分として知られています。
第二世代のロラタジンもアレルギー性のくしゃみ・鼻水に使用されることがあります。
ただし鼻づまりを取る成分であるプソイドエフェドリンなどのエフェドリン類は、胎盤を通じて胎児に影響する可能性が指摘されているため、妊娠中は避けることが推奨されます。
鼻づまりには蒸しタオルで温める・生理食塩水の点鼻など薬に頼らない方法も選択肢です。
咳:デキストロメトルファンが選択肢になりやすい
デキストロメトルファン臭化水素酸塩は医師の判断で使用されることがありますが、市販の咳止めは複数の成分を含む製品が多いため、自己判断で使用せず医師または薬剤師へ相談してください。
コデイン系の咳止めは妊娠中の使用について慎重な判断が必要とされるため、避けることが望ましいとされています。
うがい薬:ヨード(ポビドンヨード)入りは要注意
「薬を飲むのは良くない」と考えてうがい薬を使い続ける方がいますが、ヨードを含んだうがい薬(イソジンうがい薬など)は赤ちゃんに悪影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。
妊娠中のうがいには、ヨードを含まないタイプを選ぶか、水でのうがいを基本としてください。
妊娠中の市販薬・成分早見表
| 症状 | 選択肢になりやすい成分 | 避けるべき成分 |
|---|---|---|
| 発熱・頭痛 | アセトアミノフェン | イブプロフェン・ロキソプロフェン(特に妊娠後期) |
| 便秘 | 酸化マグネシウム | 作用の強い刺激性下剤の自己判断使用 |
| 胃痛・腹痛 | ブチルスコポラミン臭化物 | 緑内障がある場合は要注意 |
| 鼻水・くしゃみ | クロルフェニラミン・ロラタジン | プソイドエフェドリン等のエフェドリン類 |
| 咳 | デキストロメトルファン | コデイン系成分 |
| 喉の痛み(うがい) | ヨードを含まないうがい薬・水うがい | ポビドンヨード配合うがい薬 |
※表①:妊娠中の症状別市販薬成分の考え方(gran-clinic.jp作成・各種産婦人科学的知見に基づく一般的な情報。個別の判断は必ず医師・薬剤師に確認すること)
市販の総合感冒薬は自己判断で飲まない
市販の総合感冒薬には解熱鎮痛成分・抗ヒスタミン成分・カフェイン・鎮咳成分など複数の成分が含まれています。
その中には妊娠中の使用に注意が必要な成分が含まれている可能性があるため、自己判断での服用は避けてください。
妊娠に気づかず一時的に市販の総合感冒薬を服用した場合でも、過度に心配する必要はないとされています。
ただし、服用後に妊娠が判明した場合は自己判断せず、産婦人科医へ相談してください。ただし、妊娠がわかってから継続的に服用する場合は、必ず産婦人科医に相談してください。
軽い風邪であれば、まずは安静・水分補給・栄養のある消化に良い食事を心がけ、症状がつらい場合や水分が取れない・高熱が続く場合は受診を検討してください。
市販薬を使う前に必ずすべきこと
【図②】薬局・産婦人科で相談する際に伝えるべき情報
- 現在の妊娠週数(妊娠◯週と具体的に)
- 症状の詳細(いつから・どんな症状か)
- これまでの妊娠経過(持病・既往歴の有無)
- 服用中の他の薬・サプリメント
- 母子健康手帳の持参(薬局で相談する際も提示するとスムーズ)
※図②:妊娠中の薬相談時に伝えるべき情報リスト(gran-clinic.jp作成)
薬局で相談する場合は、妊娠週数や服用中の薬を含めて薬剤師へ正確に伝えてください。症状が強い場合や判断に迷う場合は、産婦人科医の診察を優先しましょう。
すぐに受診すべき症状
以下のいずれかに当てはまる場合は市販薬での対処より産婦人科・医療機関への受診を優先してください:
- 38℃以上の高熱が続く
- 激しい咳やお腹に力が入る状態が続いている
- 水分や食事がほとんど取れず、尿の量が減っている
- お腹の張りや痛み、出血を伴う
- 市販薬を1〜2回服用しても症状が改善しない、または悪化する
まとめ|妊娠中の市販薬は自己判断せず必ず相談する
- 発熱・頭痛にはアセトアミノフェンが基本的な選択肢。ただし必要最小限の使用にとどめる
- NSAIDs(イブプロフェン・ロキソプロフェン)は妊娠後期に使用禁止。動脈管収縮・羊水減少のリスク
- 便秘には酸化マグネシウム、胃痛にはブチルスコポラミンが選択肢になりやすい
- 鼻づまりを取るエフェドリン類・ヨード入りうがい薬は避ける
- 市販の総合感冒薬は自己判断で飲まない。複数成分の重複リスクがある
- どんな症状でも、まず産婦人科医または薬剤師に相談することが最も安全
【重要:免責事項とお願い】
この記事は認定薬剤師である監修者の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。
特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。
個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、必ず服用されている薬の主治医または薬剤師にご相談ください。
(※特に処方薬に関するアドバイスは、必ずお薬をもらった調剤薬局の薬剤師にご確認ください。)






