【薬剤師監修】市販薬と処方薬はどう違う?迷ったときの選び方ガイドを解説!

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【記事監修】 現役薬剤師(現場経験15年以上)

  • ✔ 監修者:当サイト提携薬剤師(薬剤師免許取得済)
  • ✔ 15年以上にわたり、累計10万枚以上の処方箋を扱った豊富な臨床経験。
  • ✔ 大学病院門前薬局での高度な専門処方(がん治療・難病薬)対応実績あり。
  • ✔ 地域薬局・ドラッグストアでの一般の方への服薬指導・健康相談実績多数。
  • ✔ 本記事は、公的データ(厚生労働省等)に基づき、監修者が内容の正確性と安全性を確認・保証しています。

 

風邪をひいたとき、頭が痛いとき…。

「市販薬で済ませようか」「それとも病院に行くべきか」と迷うことはありませんか。

薬には、薬局やドラッグストアで購入できる市販薬(OTC医薬品)と、医師の処方による処方薬(医療用医薬品)の2種類があります。

 

これら2つの薬は、その役割、効果の強さ、安全性、そして購入方法において大きな違いがあります。

今回は、長年の臨床経験を持つベテラン薬剤師が、それぞれの薬の特徴を明確にし、あなたの症状に合った賢く安全な薬の選び方を、専門的な視点でわかりやすく解説します。

 

市販薬(OTC医薬品)と処方薬(医療用医薬品)の違い|役割と安全性を徹底解説

市販薬と処方薬の比較図

市販薬(OTC医薬品)の特徴と安全な使い方

市販薬は、「Over The Counter」医薬品とも呼ばれ、風邪薬、頭痛薬、胃腸薬など、薬局やドラッグストアで自分で選んで買える薬のことです。

医療機関を受診するほどではない、比較的軽度な体調不良や、一時的な症状に対して、手軽に使えるのが大きなメリットです。

 

【安全利用の鉄則】
自己判断での使用が前提となるため、添付文書(説明書)を必ず読み不明な点があれば専門家(薬剤師または登録販売者)に相談の上、正しく使用することが強く推奨されます。

 

医療用医薬品は医師の診断に基づき使用される薬で、効果や使用方法など専門家による管理が必要です。
一方、市販薬(OTC医薬品)は、症状に応じて一般の方が薬局などで選び、自己判断で使用することが想定されています。

出典:PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構) 一般の方のためのくすりのQ&A

 

処方薬(医療用医薬品)の特徴と使用上の注意点

一方、処方薬は、お医者さんの診察を受けて、症状や病気に合わせて処方される薬です。

病気の治療を目的として、効き目が良く、専門的な知識に基づいて使う必要があるため、必ずお医者さんや薬剤師の管理のもとで使用されます。

 

市販薬と処方薬の効き目と安全性の違い|成分量と副作用リスクを比較

薬の効き目と安全性比較

「同じ症状に効く薬でも、市販薬と処方薬では何が違うの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

実は、市販薬と処方薬では、含まれている薬の成分の種類や量が異なる場合があり、効き目や副作用のリスクにも差が出ることがあります。

 

一般的に、処方薬は病気の治療に特化しているため、市販薬よりも高い効果を発揮できるように、成分量が多く設定されていたり、市販薬には含まれない特別な成分が配合されていることがあります。

そのため、効き目の強さや予期せぬ体調変化(副作用)のリスクに差が生じます。

 

同じ効果を表示していても、成分の種類や含量が異なるため、効き方や効き目、副作用のリスクに差があります。

出典:PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構) 一般の方のためのくすりのQ&A

 

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成分の量や種類が違うって知って驚きました。
市販の痛み止めを続けて飲んでいたら、胃が荒れてきて…。
副作用のリスクも変わるんですね。
薬剤師のアイコン
はい。
処方薬と比べると市販薬は安全性を考慮して成分量が抑えられていますが、それでも体への負担はかかります。
特に胃腸薬や痛み止めなど、症状が治まっても漫然と自己判断で使い続けるのは危険な場合があるので、5〜6日使っても良くならないなら、必ず医療機関を受診してください。

 

市販薬の分類と購入ルール|第1類〜第3類・要指導医薬品の違いを解説

市販薬の分類ガイド

市販薬と一口に言っても、いくつかの種類に分かれています。

効き目の強さや使用時の注意度に応じて分類され、購入ルールが異なります。

 

  • 要指導医薬品: 特に新しい成分が使われているなど、より注意が必要な薬です。薬剤師から直接説明を受けないと買えない薬です。
  • 一般用医薬品(第1類、第2類、第3類):
    • 第1類医薬品: 特に注意が必要な薬で、薬剤師がいるお店でしか買えません。購入の際には薬剤師から詳しい説明を受ける必要があります。
    • 第2類医薬品: 風邪薬や解熱鎮痛剤など、比較的よく使われる薬が多く含まれます。薬剤師または登録販売者から情報提供を受けることができます。(義務ではありませんが、分からないことは尋ねましょう。)
    • 第3類医薬品: 比較的リスクが低いとされている薬で、ビタミン剤や消化薬などがこれにあたります。

このように、市販薬は種類ごとに購入ルールが異なるため、薬を選ぶ際はパッケージ表示を確認しましょう。

 

要指導医薬品と一般用医薬品には第1類~第3類があります。
要指導医薬品は薬剤師の対面指導が必須で、第2・第3類は登録販売者でも販売可能です。

出典:道北勤医協:市販薬と医師の処方薬の違い

 

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市販薬にも種類があって、そんなに細かく分かれているとは知りませんでした。
第1類医薬品は薬剤師さんじゃないとダメなんですね。
薬剤師のアイコン
そうですね。
特に第1類医薬品は、「以前は処方薬として使われていたものが市販化された」など、比較的新しい薬や注意が必要な薬が多いです。必ず薬剤師の説明を受け、安全に使いましょう。

 

処方薬のメリット・デメリット|専門性・効果・費用のバランスを解説

セルフメディケーションの税制優遇

処方薬を使うメリット|安全性・効果・費用面から解説

  • 病状に合った最適な薬: お医者さんがあなたの症状や体の状態をしっかり診て、その病気に特化した、効果の強い薬を選んでくれます。
  • 専門家による管理: 薬剤師が薬の正しい使い方や注意点、飲み合わせなどを詳しくチェック・説明してくれるので安心です。
  • 保険が使える: 医療費の一部負担で済むため、費用を抑えられる場合があります。

 

処方薬のデメリット|注意点と利用時のポイント

  • 診察の手間と時間: 病院に行く手間や、待ち時間が発生します。
  • すぐに手に入らないことも: 夜間や休日に急に必要になった場合、すぐには手に入らないことがあります。

 

医療用医薬品は診察時の病状に合わせて医師が種類や量を決定します。
一方、市販薬は自己判断で使用しますが、必ずしも根本治療には向きません。
出典:住友ファーマ:市販薬と処方薬の違い

 

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処方薬は安心だけど、週末の夜に急に熱が出たときはどうすればいいですか?
薬剤師のアイコン
現場での鉄則は、「つらい症状を一時的に和らげる市販薬でしのぎ、翌日(開院している時間帯)に必ず医療機関を受診する」ことです。
救急外来を受診するレベルか判断に迷う場合は、救急相談窓口(#7119など)に電話で相談しましょう。

 

セルフメディケーションとは?市販薬の活用と税制メリット

セルフメディケーションのイメージ

最近よく聞く「セルフメディケーション」とは、「軽い体の不調を自分で手当てすること」を指します。

市販薬を上手に活用することで、健康管理に役立てる考え方です。

そして、このセルフメディケーションを応援する制度として「セルフメディケーション税制」があります。

 

これは、対象となる市販薬(スイッチOTC医薬品)を年間12,000円を超えて購入した場合に、確定申告で税金の一部が控除される(差し引かれる)というものです。

健康への意識を高め、医療費を抑えることにもつながりますね。(※ただし、健康診断などを受けていることが条件となります。)

 

セルフメディケーションに用いられる医薬品は、医師の処方箋なしで購入でき、消費者が自己責任で使用するものとされています。
出典:厚生労働省:セルフメディケーション税制リーフレット

 

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市販薬を買って節税できるなんて驚きです。
どんな薬が対象なんですか?
薬剤師のアイコン
対象となるのは、以前は処方薬だったものが市販薬になった「スイッチOTC」と呼ばれる薬が中心です。
パッケージに対象マークがありますので、購入時に薬剤師または登録販売者に確認し、レシートを保管しておきましょう。

 

市販薬か処方薬か迷ったときの判断基準|薬剤師が教える安全な選び方

では、どのような時に市販薬を選び、どの時に病院へ行くべきか。安全を最優先する判断基準をご紹介します。

 

【安全最優先】緊急受診が必要な症状の目安

  • 市販薬で対応可能な症状(目安):
    • 軽度な頭痛や生理痛、軽い胃もたれ、鼻水・くしゃみなどの軽い風邪の初期症状。
    • 注意点:使用は長くても5〜6日程度を目安とし、それ以上症状が続く場合は必ず医療機関を受診してください。

 

  • すぐに病院を受診すべき症状:
    • 市販薬を飲んでも症状が良くならない、または悪化している(特に高熱、激しい痛み、嘔吐など)。
    • 同じ症状が何度も繰り返される、持病がある、いつもと違う強い体の変化(副作用の疑い)を感じる。
    • 現場の知見:特に「いつもと違う痛み」「徐々に強くなる痛み」は、市販薬でごまかさず、必ず医師の診察を受けてください。

 

  • 夜間・休日に急な症状が出た場合:
    • まずは市販薬で応急処置を検討し、その日は症状が軽減したら翌日(開院している時間帯)に必ず病院を受診してください。
    • 自己判断で我慢せず、症状が重い・判断に迷う場合は、夜間・休日の救急医療相談窓口(#7119など)を利用しましょう。

 

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市販の風邪薬と処方薬を一緒に飲んでも大丈夫ですか?
薬剤師のアイコン
それは絶対にやめてください! 成分が重複し、効き目が強くなりすぎたり、重い副作用が出たりする危険があります。
すでに処方薬を飲んでいる方は、市販薬を使う前に必ず薬剤師にご相談ください。

 

市販薬の危険な飲み合わせと専門家相談の重要性|副作用リスクを回避する方法

特に以下のような状況では、市販薬でごまかさず、専門家の診察や相談を受けることが大切です。

これは、あなたの命と安全を守るための最も重要なルールです。

 

重大なリスク回避のために】必ず専門家に相談を

  • 他の薬との併用が心配な場合:すでに別の薬(処方薬、サプリメントなど)を飲んでいる場合は、飲み合わせによって効果が強くなりすぎたり、思わぬ副作用が出やすくなったりすることがあります。必ず薬剤師に「今飲んでいるすべての薬」を伝えて、飲み合わせを確認してもらいましょう。

 

  • 持病がある、妊娠中・授乳中の場合:持病(特に腎臓病、肝臓病、胃潰瘍など)がある方や、妊娠している可能性のある方、授乳中の方は、市販薬を使う前に必ず医師や薬剤師に相談してください。薬の成分が病気に悪影響を与えたり、お腹の赤ちゃんや母乳に移行する可能性があります。

 

  • 強い副作用の兆候がある場合:薬を飲んでから、ひどいめまい、全身の発疹、息苦しさなど、いつもと違う強い体の変化を感じたら、すぐに薬の使用を中止し、医師や薬剤師に連絡してください。

 

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副作用や持病のことを考えると、市販薬を勝手に使うのは不安です。
薬局で薬剤師さんに相談する勇気が持てなくて…
薬剤師のアイコン
その不安は、健康を守る上でとても大切です。
私たちは、お客様が安全に薬を使えるようにお手伝いするのが仕事です。
不安に思っていること、全部話してください。
自己判断を避け、専門家の助言を受けることが、安全で確実な薬の使い方につながります。

 

まとめ|市販薬と処方薬の使い分けと安全ルールのポイント

  • 市販薬(OTC):軽い症状の応急処置向き。自己判断で使用、添付文書確認必須。
  • 処方薬:医師・薬剤師管理下で使用。効果強め、副作用リスクあり。保険適用可能。
  • 市販薬の分類:第1類(薬剤師対面必須)、第2類・第3類(登録販売者可)、要指導医薬品あり。
  • 選び方:症状軽ければ市販薬、悪化・長引く場合は医療機関受診。
  • 注意:市販薬と処方薬の併用は危険。持病・妊娠中は専門家相談必須。
  • セルフメディケーション税制あり、対象薬で節税可能。

 

【重要:免責事項とお願い】

この記事は薬剤師の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。
特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。

個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、
必ず主治医または薬剤師に相談し、その指示に従ってください。

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