

【記事監修】 現役薬剤師(現場経験15年以上)
- ✅ 監修者:当サイト提携薬剤師
- ✅ 専門資格:認定薬剤師、認定実務実習指導薬剤師
- ✔ 15年以上にわたり、累計10万枚以上の処方箋を扱った豊富な臨床経験。
- ✔ 大学病院門前薬局での高度な専門処方(がん治療・難病薬)対応実績あり。
- ✔ 地域薬局・ドラッグストアでの一般の方への服薬指導・健康相談実績多数。
- ✔ 本記事は、公的データ(厚生労働省等)に基づき、監修者が内容の正確性と安全性を確認しています。
「ピルは何歳まで飲んでいいの?」「40代でも続けて大丈夫?」と不安に感じていませんか。
ピルは正しく使えば避妊や月経トラブルの改善に役立ちますが、年齢や持病によってはリスクが高まることもあります。
本記事では、日本のガイドラインを踏まえつつ、できるだけやさしい言葉で「年齢の目安」「リスクが高まりやすいパターン」「受診のタイミング」などを整理し、今後どう行動すべきかが分かるように解説します。
経口避妊薬(ピル)は何歳まで服用可能?年齢の目安と基本的な考え方

ピルを「何歳まで服用できるか」は、年齢だけで一律に決まるものではなく、喫煙の有無・血栓症のリスク・持病などを総合的に評価して判断されます。
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、40歳を超えると慎重な投与が推奨され、50歳または閉経を一つの終了目安とする考え方が示されています。
40歳以上は慎重投与、50歳前後(または閉経)で終了が目安
Q&A形式で疑問を解消!【現場の薬剤師からのアドバイス】
Q. 40代で特にトラブルがなくても、急に中止しなければならないことはありますか?
A. 血液検査の結果(脂質や血糖値の上昇)や血圧の変化、あるいは喫煙習慣の有無によっては、医師から中止や切り替えを提案されることがあります。
また、40代は血管のリスクが上がりやすいため、「以前は大丈夫だったから」と自己判断せず、半年に一度程度の定期的な医師との面談を欠かさないようにしましょう。
40歳以上は一般に心筋梗塞などの心血管系障害が発生しやすくなる年代であるため、
低用量ピルの服用によりこれらのリスクを助長するおそれがあるとされています。
多くの専門家は、40歳を「リスク評価をより厳密に行う転換点」と捉えています。
これは、加齢に伴って心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患のリスクが高まるためです。
【解説】
40歳以降は血管の老化や高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病が増え、血栓症(血の塊が血管に詰まる病気)や心臓・脳の病気のリスクが高まりやすくなります。
そのため、「今もピルを続けるメリット」と「年齢と持病によるリスク」を毎年見直しながら、医師と相談して服用継続の可否を決めていくことが大切です。
年齢とともに変化するリスクと、長期服用で注意すべきポイント

ピルは若い世代でも血栓症リスクをわずかに高めますが、年齢が上がるほど、その影響は大きくなりやすくなります。
特に喫煙、高血圧、肥満、片頭痛(特に前兆を伴う場合)などがあると、血栓症や心血管系のトラブルのリスクがさらに上昇するため、より慎重な判断が必要です。
血栓症リスクは「年齢 × 生活習慣」で大きく変わる
ピルによる代表的な重大副作用として、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症や肺塞栓症)があります。
これは、ふくらはぎの静脈などに血の塊ができ、それが肺などに飛んで詰まる病気です。
経口避妊薬・ホルモン製剤の使用により静脈血栓症のリスクは上昇します。
特に35歳以上で喫煙する女性では、心筋梗塞や脳卒中など重大な心血管系の副作用のリスクが高くなるため、慎重な適応が必要とされています。
【解説】年齢だけでなく、「35歳以上」「喫煙」「肥満(BMIが高い)」「高血圧」などの条件が重なると、血栓症リスクが一気に高まる傾向があります。
特に35歳以上で喫煙している方は、多くの医療機関でピル以外の避妊法や治療薬への切り替えを検討することが多く、自己判断での継続はおすすめできません。
40代以降でピルを続けるときに必要な健康管理

治療目的(月経困難症、過多月経、月経前症候群など)で、40代以降もピルを続けるケースもあります。
その場合は、単に年齢だけで「やめる・続ける」を決めるのではなく、定期的な検査とセルフチェックが欠かせません。
定期的な婦人科受診と血圧・血液検査を習慣に
ピル服用中は、少なくとも年1回を目安に、以下のような項目のチェックが推奨されます。
- 血圧測定:高血圧がないか、悪化していないか
- 血液検査:肝機能・脂質(コレステロール・中性脂肪)・血糖など
- 体重・BMI:肥満によるリスクが高まっていないか
- 婦人科検診:子宮頸がん検診、必要に応じて子宮体がんや卵巣の評価
これらの検査は、ピルによる副作用だけでなく、加齢とともに増えやすい病気を早期に発見するためにも役立ちます。
更年期への移行と、ピルからHRT(ホルモン補充療法)への切り替え
Q&A形式で疑問を解消!【現場の薬剤師からのアドバイス】
Q. ピルをやめた後、更年期の症状がつらくなったらどうすればいいですか?
A. ピル(低用量)から、よりエストロゲン量の少ない「ホルモン補充療法(HRT)」へスムーズに移行できる場合があります。
「ピルが飲めなくなったら終わり」ではなく、年齢に応じた適切なケア方法があります。
更年期特有の不調を感じ始めたら、我慢せずに婦人科で「今の年齢に合う選択肢」を相談してみましょう。
40代後半〜50歳前後になると、更年期に伴うホルモン変化が始まります。
ピルを飲んでいると月経が人工的に起こるため、「本当に閉経したかどうか」が分かりにくくなることがあります。
更年期症状(ほてり、発汗、不眠、気分の落ち込みなど)が強い場合、医師の判断でピルを終了し、ホルモン補充療法(HRT)に切り替えることが検討されます。
切り替えのタイミングや必要性は人によって異なるため、自己判断ではなく婦人科医と十分に相談してください。
薬剤師視点:よくある相談と、すぐに受診が必要なサイン

薬局では、「年齢が上がってきたけれど、ピルを続けて大丈夫?」「他の薬を飲み始めたけど飲み合わせは?」といった相談が増えています。
ここでは、実際に多い質問のポイントと、受診の目安を整理します。
飲み忘れ・他の薬との併用で気をつけたいこと
- 飲み忘れ:24時間以内の飲み忘れは、気づいた時点で早めに1錠服用し、その後は通常通り続けるのが一般的な対応例ですが、製品によって異なります。必ずお手元の説明書(患者携帯カード等)を確認し、不明な点は医師や薬剤師に相談してください
- 他の薬との相互作用:一部の抗てんかん薬、抗菌薬、セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)などは、ピルの効果を弱める可能性があります。新しい薬やサプリメントを飲み始めるときは、必ず「ピルを飲んでいる」ことを医師や薬剤師に伝えましょう。
年齢とともに、高血圧や脂質異常症などで薬が増える方も多くなります。
お薬手帳を活用し、処方医・薬局をできるだけ一元化することで、飲み合わせのリスクを減らしやすくなります。
すぐに受診すべき「レッドフラッグサイン」の見極め方
【薬剤師からのお願い】
「ACHES」に該当する症状で救急外来などを受診する際は、必ず「ピルを服用中であること」を伝えてください。
原因の早期特定につながります。お薬手帳を常に携帯するか、スマートフォンの写真に撮って保存しておくことを強くおすすめします。
ピル服用中に、次のような症状が出た場合は、血栓症などの重い副作用の可能性があります。
これらは「ACHES」という頭文字で覚えられています。
- A(Abdominal pain):激しい腹痛
- C(Chest pain):突然の胸の痛みや息苦しさ
- H(Headache):今までにない激しい頭痛、片側の強い頭痛
- E(Eye):視界がかすむ、見えにくい、視野が欠ける
- S(Severe leg pain):ふくらはぎなど片脚の強い痛みや腫れ
これらの症状が一つでも当てはまる場合は、服用を中止し、速やかに医療機関(場合によっては救急外来)を受診する必要があります。
軽い不調でも、「いつもと違う」「不安だ」と感じたら早めに相談してください。
初めて飲むタイミングや、男性が飲んだ場合の影響など、意外と知らない知識はこちら。
まとめ:年齢だけで判断せず、必ず医療者と相談を
- ピルは年齢だけで一律に「何歳まで」と決まるものではなく、喫煙の有無や持病、血栓症リスクなどを総合的に評価して判断される。
- 日本のガイドラインでは、40歳以降は慎重投与が推奨され、50歳前後または閉経を一つの終了目安とする考え方が一般的。
- 年齢が上がるほど血栓症や心血管系疾患のリスクは高まり、特に喫煙・高血圧・肥満がある場合は注意が必要。
- 40代以降でピルを続ける場合は、定期的な婦人科受診や血圧・血液検査を行い、医師と相談しながら継続可否を判断することが重要。
【重要:免責事項とお願い】
この記事は認定薬剤師である監修者の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。
特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。
個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、必ず服用されている薬の主治医または薬剤師にご相談ください。
(※特に処方薬に関するアドバイスは、必ずお薬をもらった調剤薬局の薬剤師にご確認ください。)







