【薬剤師監修】ガスター10とセルベールの違い比較|併用はできる?胃痛・胃もたれ別の選び方

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【記事監修】 現役薬剤師(現場経験15年以上)

  • ✅ 監修者:当サイト提携薬剤師
  • ✅ 専門資格:認定薬剤師、認定実務実習指導薬剤師
  • ✔ 15年以上にわたり、累計10万枚以上の処方箋を扱った豊富な臨床経験。
  • ✔ 大学病院門前薬局での高度な専門処方(がん治療・難病薬)対応実績あり。
  • ✔ 地域薬局・ドラッグストアでの一般の方への服薬指導・健康相談実績多数。
  • ✔ 本記事は、公的データ(厚生労働省等)に基づき、監修者が内容の正確性と安全性を確認しています。

 

ドラッグストアで胃薬コーナーを見ると、「ガスター10」「セルベール」などたくさんの商品が並んでいて、どれを選べばいいか迷う方が多いです。

この記事では、20〜50代で「市販薬を自分で選びたい」方に向けて、ガスター10(ファモチジン)とセルベール(テプレノン)の違い、選び方、安全に使うためのポイントを、公的情報と薬剤師の視点を交えてわかりやすく解説します。

ここでお伝えするのは、厚生労働省や大学病院、専門学会が公開している一般向け情報を参考にした内容です。

個別の症状や体質、現在服用中の薬との飲み合わせについては、必ず医師や薬剤師にご相談ください。

 

最初に結論:ガスター10とセルベールは症状タイプで使い分ける

ざっくりした選び方の目安は、次のようになります。

  • 空腹時のキリキリ痛み・胸やけ → 胃酸を抑えるガスター10
  • 食後の胃もたれ・胃の重さ → 胃を守るセルベール
  • 2週間以上続く・赤信号症状がある → 市販薬ではなく医療機関へ

それぞれの薬がどのような働きをするのか、次で詳しく見ていきましょう。

 

ガスター10とセルベールの違い|胃酸を抑える薬と胃を守る薬

ガスター10(ファモチジン):胃酸を抑える「攻撃を止める」薬

ガスター10の主成分ファモチジンは「H2ブロッカー」と呼ばれる種類の胃薬です。

胃の壁にあるヒスタミンH2受容体にくっついて、胃酸の分泌を抑える働きがあります。

胃酸は食べ物を消化するために必要なものですが、過剰に出たり胃の粘膜が弱っていたりすると、胃壁を刺激して痛みや胸やけの原因になります。

空腹時のヒリヒリした痛みや、酸っぱいものがこみ上げてくるような症状に用いられることが多い薬です。

胃酸の分泌は胃の粘膜の壁細胞の細胞膜上にあるヒスタミン、アセチルコリン、ガストリンの各受容体が刺激を受けることにより、プロトンポンプを介して分泌されます。なかでもヒスタミンH2受容体は胃酸の分泌に一番大きな役割をはたしています。ガスター10は、このヒスタミンH2受容体への刺激をブロックして、胃酸の分泌を抑制しますので、H2ブロッカー胃腸薬といわれております。
ガスター10公式サイト:H₂ブロッカー胃腸薬とはどのような胃腸薬ですか?(FAQ)

 

セルベール(テプレノン):胃粘膜を守る「防御を強める」薬

セルベールの主成分テプレノンは「胃粘膜保護薬」に分類されます。

胃を守る粘液の分泌を促し、胃粘膜の血流を改善することで、荒れた胃の表面を保護・回復させる働きが期待されます。

胃酸そのものを抑えるのではなく、「胃のバリア機能」を強化するイメージです。

食べ過ぎ・飲み過ぎや、生活習慣の乱れで「胃が弱っている」と感じる方の胃もたれや重だるさに適していることが多いです。

 

新セルベールは、胃酸などの刺激から胃の粘膜を守る「胃粘液」を増やし、さらに胃の運動を活発にし、脂肪を分解して、消化する力を高めます。食後に胃もたれを感じるようになった方におすすめです。
セルベール公式サイト:よくある質問「どんな症状におすすめですか?」(FAQ)

 

Q&A形式で疑問を解消!【現場の薬剤師からのアドバイス】

Q. 空腹時にキリキリ痛くなることが多いのですが、どちらが合っていますか?

A. 空腹時のキリキリした痛みは、胃酸が胃の粘膜を直接刺激しているサインであることが多く、ガスター10のような胃酸を抑える薬が選択肢になります。

ただし、強い痛みが続く場合や、飲み始めて2週間経っても改善しない場合は、胃がんやピロリ菌感染などの可能性もあるので、早めに消化器内科を受診することをおすすめします。

 

【症状別】ガスター10とセルベールの正しい選び方

ガスター10が検討される症状

  • 空腹時・夜間のキリキリした胃痛
  • 酸っぱいものが上がってくる(呑酸)
  • 胸やけ、胸の焼けるような痛み
  • ストレスで胃がキリキリする

これらの症状は胃酸過多が関与している可能性が高いため、胃酸分泌を抑えるH2ブロッカーが適している場合があります。

 

セルベールが検討される症状

  • 食後の胃もたれ・胃の重さ
  • 少し食べただけでお腹がいっぱい(早期膨満感)
  • 食べ過ぎ・飲み過ぎ後の胃の不快感
  • 加齢による「胃が弱ってきた」感じ

胃の運動機能低下や粘膜防御機能の弱まりが関与している場合、胃粘膜保護薬が有用であることがあります。

Q&A形式で疑問を解消!【現場の薬剤師からのアドバイス】

Q. 痛みともたれ、両方あるときは?

A. 「痛みが主ならガスター10」「もたれが主ならセルベール」という目安で考えてみてください。

判断が難しい場合は、無理に自己判断せず、症状のタイミングや強さを薬剤師に伝えて相談してください。

お薬手帳があれば、より的確なアドバイスができますよ。

 

ガスター10とセルベールは併用できる?薬剤師が解説

結論:自己判断での併用は避け、まずは最もつらい症状に合う1種類を選んでください。

「痛みももたれもあるから両方飲みたい」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、市販薬を自分の判断で2種類同時に服用することはおすすめしません。

なぜ自己判断の併用が推奨されないのか

医療現場(病院での処方)では、胃酸を抑える薬(攻撃因子抑制)と胃粘膜を守る薬(防御因子増強)を組み合わせて治療することがあります。

しかし、これは医師が内視鏡検査などの結果に基づき、「併用が必要な状態である」と診断した上での判断です。

市販薬の役割は、あくまで「一時的な不調の緩和」です。

2種類の薬を併用しなければならないほど症状がつらい、あるいは複雑な場合は、市販薬で解決しようとせず、速やかに医療機関を受診すべきサインといえます。

 

Q&A形式で疑問を解消!【現場の薬剤師からのアドバイス】

Q. どうしても併用したいときはどうすればいい?

A. 基本的には、どちらか一方(最もつらい症状に合う方)を数日間試し、改善しなければ受診するのがベストです。

もし、以前医師から「この組み合わせで飲んで良い」と言われた経験がある場合でも、今回の不調が同じ原因とは限りません。どうしても併用を検討したい場合は、購入前に店頭の薬剤師に今の状況(いつから、どんな痛みか)を詳しく伝え、安全に使えるか必ず確認してくださいね。

 

Q&A形式で疑問を解消!【現場の薬剤師からのアドバイス】

Q. 他の薬(痛み止めなど)と一緒に飲んでも大丈夫?

A. もし現在、ロキソニンなどの痛み止め(NSAIDs)を服用していて胃の不調があるのなら、注意が必要です。

痛み止め自体が原因で胃が荒れている(薬剤性胃炎)可能性があるため、胃薬を足して飲み続けるよりも、まずは「痛み止めの服用を一時中止する」か「医師に相談する」ことが優先されるケースが多いからです。

「胃薬を飲んでいるから、痛み止めを飲み続けても大丈夫」と自己判断するのは避けましょう。胃の痛みを薬で隠している間に、胃潰瘍などが進行してしまう恐れがあります。現在、痛み止めを常用している方は、必ずお薬手帳を持参して、医師や薬剤師に「胃の不調があること」を伝えてくださいね。

 

副作用と安全な使い方|市販胃薬を飲む前の注意点

ガスター10の注意点

  • 便秘・下痢、口渇(比較的頻度高め)
  • 発疹・かゆみ
  • まれに:肝機能障害、血小板減少(特に高齢者・腎機能低下者)

セルベールの注意点

  • 腹部膨満感、食欲不振(まれ)
  • 皮下出血(あざができやすい)
  • 発疹、かゆみ

医薬品使用後に発疹・発赤、かゆみ、発熱、全身倦怠感、黄疸(皮膚・白目が黄色くなる)などの症状があらわれた場合は、重大な副作用の前兆である可能性があります。

直ちに使用を中止し、医師・薬剤師に相談してください。

出典:PMDA「医薬品による健康被害を防ぐために」

 

【薬剤師からのお願い】

「ちょっとした発疹だから大丈夫」と自己判断で飲み続けてしまう方がいますが、まれに肝機能障害や血液障害の初期症状である可能性があります。

服用後に「体がだるい」「白目が黄色い」「熱っぽい」などの症状が出たら、すぐに服用を中止して医療機関を受診してください。

お薬手帳と市販薬の箱を持参すると診断がスムーズです。

 

服用期間の目安と病院を受診すべき危険サイン

市販胃薬の服用期間目安:2週間以内

ガスター10:添付文書に「2週間を超えて連続服用しないこと」と明記されています。

症状の改善が見られた場合は、2週間までの連続服用は可能です。2週間を超えて服用しないでください。

ただし、3日間服用しても症状の改善が全くみられない場合は、医師又は薬剤師にご相談ください。

ガスター10公式サイト:ガスター10は、続けて服用してもよいですか?(FAQ)

 

【緊急】今すぐ病院へ行くべき症状

  • 血を吐く(吐血)
  • 黒いタール便(胃腸出血のサイン)
  • 原因不明の体重減少
  • 激しい腹痛が続く
  • 飲み込みにくい(嚥下困難)
  • 65歳以上で初めての胃痛

吐血・下血、原因不明の体重減少、進行性嚥下困難などの警告症状がある場合は、内視鏡検査等による精査が必要です。

市販薬で症状を抑え続けることは診断の遅れを招く可能性があります。

出典:慶應義塾大学病院 KOMPAS「吐血・下血」

【薬剤師からのお願い】

「いつもの胃痛だから」と市販薬を数ヶ月続けている方を見かけますが、これは非常に危険です。

胃がんや潰瘍出血が隠れている可能性があります。

2週間飲んでも良くならない、黒い便・体重減少などの症状がある場合は、自己判断を中止し、消化器内科を受診してください。

早期発見で治療が格段に楽になります。

【総まとめ】ガスター10とセルベールの違いと選び方

  • ガスター10(ファモチジン)は胃酸分泌を抑えるH2ブロッカーで、空腹時のキリキリした胃痛や胸やけなど「胃酸過多」が関与する症状に適しています。
  • セルベール(テプレノン)は胃粘膜を保護・修復する薬で、食後の胃もたれや胃の重さなど「胃が弱っている状態」に向いています。
  • 市販胃薬は症状に応じて1種類を選ぶのが基本で、自己判断での併用は避けるべきです。
  • 服用期間の目安は2週間以内。改善しない場合や吐血・黒色便などの警告症状がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

 

 


【重要:免責事項とお願い】

この記事は認定薬剤師である監修者の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。

特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。

個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、必ず服用されている薬の主治医または薬剤師にご相談ください。
(※特に処方薬に関するアドバイスは、必ずお薬をもらった調剤薬局の薬剤師にご確認ください。)

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