【薬剤師監修】子どもに市販薬を飲ませていい?年齢別に飲める薬・飲めない薬を解説

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子どもが急に熱を出したとき、「この市販薬を飲ませていいのか」と迷った経験がある親御さんは多いと思います。

結論からいうと、子どもに飲ませてよい市販薬は年齢によって明確に異なります。

特に解熱鎮痛薬は成分の種類によって15歳未満は使用禁止のものがあり、大人用の薬を量を減らして飲ませることも禁止されています。

この記事では、薬のカテゴリ別・年齢別に「飲める」「飲めない」の判断基準を薬剤師が解説します。

 

子どもに市販薬を飲ませる前に知っておくべき大原則

子どもの急な発熱に悩み、スマートフォンで調べながら市販薬のパッケージを確認する母親の様子

子どもの薬は大人とは別物です。

体の仕組みが違うため、大人で問題ない成分が子どもに深刻な副作用を引き起こすことがあります。

まずこの前提を理解したうえで個別の薬を確認してください。

 

「大人用を量を減らして」は絶対にNG

実際の薬局でも、「大人用のロキソニンを半分にして飲ませたい」という相談は非常に多くあります。

ですが、成分や剤形によっては危険が伴うため、自己判断ではなく必ず薬剤師に相談してください。

子どもの薬の用量は体重や年齢に合わせて設定されており、大人用の薬を半分に割ったり粉にして量を調整することは認められていません。

子どもは肝臓や腎臓の機能が未発達で、薬の代謝・排泄が大人と異なります。

体格が大人並みの小中学生であっても、肝臓や腎臓の代謝機能は未発達な場合があるため、自己判断での増減は極めて危険です。

 

もし大人の方が自分の薬を飲み忘れてしまった場合や、家族全員で知っておきたい「飲み忘れの共通ルール」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

 

3か月未満は市販薬を使わない

市販薬の多くは「3か月未満には使用しないこと」と定められています。

3か月未満の赤ちゃんは症状が出にくく、重篤な病気を見落とすリスクがあるためです。

3か月未満で38℃以上の発熱があった場合は、市販薬で対処しようとせず、速やかに小児科を受診してください。

 

1歳未満は原則として受診優先

1歳未満の乳児は症状が急変しやすいため、市販薬を使う前に医師の診察を受けることが強く推奨されています。

やむを得ない場合のみ使用可能な市販薬もありますが、その判断は薬剤師に相談したうえで行うのが安全です。

 

【解熱剤】子どもに市販薬で飲ませていい成分・NGな成分

調剤薬局のカウンターで、子どもの症状に合った市販薬について説明を行う女性薬剤師と相談する保護者

解熱鎮痛薬は特に成分の確認が重要です。

子どもに使える成分と使えない成分が明確に分かれています。

 

子どもの解熱剤で使えるのはアセトアミノフェンのみ

市販の解熱鎮痛薬で子どもに安全とされているのは、アセトアミノフェンを主成分とするものだけです。

副作用が少なく安全性が高いとされており、小児科でも処方されます。

代表的な市販品は小児用バファリンCII・小児用バファリンチュアブル・こどもパブロン坐薬などです。

使用できる年齢は製品によって異なりますが、坐薬タイプは生後6か月から、チュアブル錠は3歳からが目安のものが多いです。

同じブランド名でも製品によって対象年齢が異なるため、購入前に必ずパッケージの「○歳以上」という表記を確認してください。

 

ロキソニン・イブA錠など15歳未満に使えない成分

以下の成分を含む解熱鎮痛薬は15歳未満には使用できません。

特にインフルエンザや水ぼうそうの発熱時に使用すると、「ライ症候群」などの重篤な脳症を引き起こすリスクがあるため、厚生労働省からも注意喚起がなされています。

  • ロキソプロフェン(ロキソニンSなど)
  • イブプロフェン(イブA錠など)
  • アスピリン(アセチルサリチル酸)
  • イソプロピルアンチピリン
  • サリチルアミド・エテンザミド(インフルエンザ・水ぼうそうの疑いがある場合)

市販のロキソニンSやイブA錠などの大人用解熱鎮痛薬は、15歳未満の子どもには使用できません。

子どもには、必ず小児用として承認された製品を使用してください。

 

解熱剤を使う目安の体温

子どもに解熱剤を使う目安は38〜38.5℃以上がひとつの目安ですが、体温だけでなく機嫌・水分摂取・呼吸状態など全身の様子を優先して判断します。

ただし、ぐったりしていない・水分が取れている・機嫌がそれほど悪くないという場合は、無理に下げなくてよいことも多いです。

熱は体が菌やウイルスと戦っているサインでもあるため、数字だけで判断せず子どもの様子を見て判断してください。

 

 

「38.5度以上」と言われることが多い解熱剤ですが、実は体温の数字だけで判断するのは危険な場合もあります。

より詳しい使うタイミングの基準や、40度を超えた時の対処法については以下を参考にしてください。

 

 

【薬剤師が推奨する小児用解熱剤の備え】

急な発熱時、アセトアミノフェン製剤が手元にあると安心です。

飲みやすい錠剤タイプと、吐き気がある時にも使える坐薬タイプを常備しておくのが理想的です。

小児用バファリンC2

キオフィーバ こども解熱坐薬

【風邪薬】子どもに市販薬を使う際の注意点

風邪薬(総合感冒薬)は複数の成分を含むため、子どもへの使用には特に注意が必要です。

子どもの風邪薬は2歳未満には原則使用しない

市販の総合感冒薬(風邪薬)は、2歳未満の乳幼児には「医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合のみ使用」とされています。

アメリカでは2歳未満への市販風邪薬の使用が禁止されており、日本でも事実上同様の考え方が推奨されています。

かぜ薬:2才未満の乳幼児には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ服用させること。

出典:厚生労働省|かぜ薬等の添付文書等への記載事項の改訂について

 

市販の風邪薬で様子を見るのと、医師から処方される「抗生物質」を飲むのでは、注意すべき点が全く異なります。

処方薬が出た場合の正しい付き合い方は、こちらを確認しておきましょう。

 

コデイン系成分は12歳未満に禁止

コデイン類を含む咳止めは、呼吸抑制の副作用リスクから、現在は12歳未満の小児に対して「禁忌(使用してはいけない)」とされています。

これらはモルヒネと同系統の成分であり、呼吸抑制などの重大な副作用リスクがあるためです。

風邪薬を購入する際は、成分表でコデインの有無を確認してください。

コデインリン酸塩水和物又はジヒドロコデインリン酸塩を含む製剤について、小児等における呼吸抑制のリスクを低減するため、12歳未満の小児等への使用を禁忌とする。

出典:厚生労働省|コデイン類を含む製剤の「使用上の注意」改訂の周知について

 

第一世代抗ヒスタミン薬には注意

鼻水を抑えるクロルフェニラミンなどの第一世代抗ヒスタミン薬は、子どもに使えないわけではありませんが、熱性けいれんとの関連が指摘されています。

熱性けいれんの既往がある子どもや、けいれんのリスクが高い場合は使用前に医師・薬剤師に相談してください。

 

【鼻詰まりがひどい時のホームケア】

2歳未満など薬が使いにくい年齢や、鼻水で夜眠れない時には、電動の吸引器で物理的に取り除いてあげることが最も効果的なケアの一つです。

【 BabySmile公式 】メルシーポット

宇津こども鼻炎シロップA

【整腸剤・胃薬】子どもに市販薬を使うときの注意点

整腸剤はビオフェルミンSなど生後3か月から使用できる製品があり、比較的安全性が高いカテゴリです。

ただし胃薬については成分による制限があります。

 

整腸剤(ビオフェルミンS)は子どもにも使いやすい

新ビオフェルミンSは生後3か月以上から使用できます。

乳酸菌・ビフィズス菌などの生菌を補う薬であり、下痢・軟便・便秘などの腸の症状に幅広く使えます。

ただし2歳未満の場合は、下痢・腹痛などの症状が強い場合はまず受診を優先することを勧めます。

 

【お腹の調子を整える常備薬】

整腸剤は、風邪によるお腹のゆるみだけでなく、日頃の便秘対策にも家族全員で使えます。

新ビオフェルミンS錠(540錠)

H2ブロッカー(ガスター10)は15歳未満は使用不可

市販のガスター10(ファモチジン)は15歳未満には使用できません。

子どもが胃の不調を訴えている場合は、市販の胃薬を自己判断で使うより、小児科または小児対応の医療機関を受診することをおすすめします。

 

子どもの年齢別・使用できる市販薬一覧

薬の種類 3か月未満 3か月〜1歳未満 1〜2歳 3〜14歳
アセトアミノフェン系解熱剤 製品による
ロキソプロフェン・イブプロフェン系 ✕(15歳未満NG)
総合感冒薬(風邪薬) ✕(要受診) 製品による 製品による
整腸剤(ビオフェルミンSなど) ○(3か月〜)
H2ブロッカー(ガスター10) ✕(15歳未満NG)

※この表は一般的な成分分類に基づいた目安です。実際の服用に際しては、必ず個々の製品の添付文書(説明書)を確認してください。

 

子どもに市販薬を飲ませるときの正しい方法

乳幼児への誤った薬の飲ませ方や、大人用の薬を自己判断で与えることへの注意を促すイメージ画像

年齢に合った薬を選んでも、飲ませ方を誤ると薬の効果が下がったり危険が生じることがあります。

 

粉薬を飲みやすくする工夫

乳幼児が粉薬を嫌がる場合、少量の水でペースト状に練って頬の内側や上あごに塗り、その後水を飲ませる方法が有効です。

ゼリー状のオブラートに包む服薬補助ゼリーも市販されており、苦みが強い薬に効果的です。

ただし混ぜるものによっては薬の効き目が変わることがあります。

薬との飲み合わせ(相互作用)によっては効果が変化するため、自己判断で混ぜず、必ず薬剤師にご相談ください。

混ぜてはいけない代表例:

  • グレープフルーツジュース(薬の代謝に影響)
  • 牛乳・ヨーグルト(一部の抗生物質の吸収を妨げる)
  • はちみつ(1歳未満は乳児ボツリヌス症のリスク)
  • ミルク・主食(嫌いになる可能性)

 

抗生物質などの「苦い粉薬」を何に混ぜて良いか、具体的な食べ物との相性(チョコ・アイス・ヨーグルト等)を一覧表でまとめています。

 

【薬を嫌がるお子さまへの救世主】

苦い薬もゼリーやチョコの風味で包むことで、お子さまの心理的ハードルをぐっと下げることができます。

おくすり飲めたね 3種セット

おくすり飲めたね チョコ味(3個)

 

飲ませるタイミングと姿勢

必ず体を起こした状態で飲ませてください。

寝たまま飲ませると誤嚥(薬が気管に入る)のリスクがあります。

乳幼児は抱っこした状態が安全です。

寝ている子を無理に起こして飲ませる必要はなく、起きたタイミングで飲ませてください。

 

飲んですぐ吐いた場合

飲ませてすぐ(5分以内)に吐き戻した場合は、ほとんど吸収されていないため同量を改めて飲ませてください。

飲ませて30分〜1時間後に吐いた場合は、多くの場合ほぼ吸収されているため追加で飲ませる必要はなく、次の服用時間を待ちます。

判断に迷う場合は処方した医師または薬剤師に相談してください。

 

【吐き戻しの判断基準】

薬を吐いてしまった際、「もう一度飲ませるべきか」の具体的な見極め時間や、インフルエンザなどの特殊な薬の場合の対処法を専門的に解説しています。

 

子どもに市販薬を使わず受診すべき症状

適切な看病と正しい薬の服用によって、元気に回復して笑顔で過ごす幼児の様子

市販薬で対処できる範囲には明確な限界があります。

以下のいずれかに当てはまる場合は、市販薬で様子を見ようとせず、速やかに受診してください。

  • 3か月未満の発熱(38℃以上)
  • ぐったりして反応が鈍い
  • 水分がまったく取れない
  • 呼吸が速い・苦しそう
  • 発疹が全身に出ている
  • 3日間市販薬を使っても改善しない
  • けいれんが起きた

 

市販薬の場合、原則3ヵ月未満は使用不可、1歳未満は医師の診療を優先させるものがほとんどです。

子どもには使えない薬の成分もありますので、自己判断で、大人と同じ薬を、量を調節して飲ませるようなことは避けましょう。

出典:第一三共ヘルスケア|子どもが薬を飲むときに知っておきたいこと

 

【看病に役立つ関連知識】

飲み薬だけでなく、子どもの看病でよくある「坐薬」のトラブル(出てきてしまった時の対応など)もあわせて知っておくと、夜間の急な発熱時にも慌てずに対応できます。

 

【正確な体温管理のために】

受診の判断基準となる体温を、寝ているお子さまを起こさず、瞬時に正しく測るための医療機器です。

Dr.EDISON 光ナビ体温計PRO

まとめ|子どもに市販薬を飲ませるときの5つの注意点

  • 大人用の薬を量を減らして飲ませるのは禁止
  • ロキソニンS・イブA錠など大人用の解熱鎮痛薬は15歳未満NG。子どもの解熱剤はアセトアミノフェン系を選ぶ
  • 総合感冒薬(風邪薬)は2歳未満には原則使わない
  • コデイン系の咳止めは12歳未満禁止
  • 年齢・用量は必ず添付文書で確認し、不明なときは薬剤師に相談する

 

👉 子どもの抗生物質の正しい飲み方・飲み忘れ対処法はこちら

👉 子供の粉薬を混ぜてOK?抗生物質×食べ物の相性一覧はこちら

 


【重要:免責事項とお願い】

この記事は認定薬剤師である監修者の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。

特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。

個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、必ず服用されている薬の主治医または薬剤師にご相談ください。
(※特に処方薬に関するアドバイスは、必ずお薬をもらった調剤薬局の薬剤師にご確認ください。)

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