

【記事監修】 現役薬剤師(現場経験15年以上)
- ✅ 監修者:当サイト提携薬剤師
- ✅ 専門資格:認定薬剤師、認定実務実習指導薬剤師
- ✔ 15年以上にわたり、累計10万枚以上の処方箋を扱った豊富な臨床経験。
- ✔ 大学病院門前薬局での高度な専門処方(がん治療・難病薬)対応実績あり。
- ✔ 地域薬局・ドラッグストアでの一般の方への服薬指導・健康相談実績多数。
- ✔ 本記事は、公的データ(厚生労働省等)に基づき、監修者が内容の正確性と安全性を確認・保証しています。
「ピルを飲み忘れた…どうしよう」と気づいた瞬間、頭が真っ白になってしまうことは少なくありません。
私自身、オンライン診療で多くの患者さんから「飲み忘れてしまって不安で…」という相談を受けてきました。
実際、飲み忘れ時の正しい対処は、飲み忘れた時間や錠数、飲んでいるピルの種類によって変わるため、一概に「こうすれば大丈夫」とは言えないんです。
とはいえ、いくつかの基本ルールさえ押さえておけば、慌てず落ち着いて対応することができます。
この記事では、日本産科婦人科学会の「OC・LEPガイドライン」や国内オンラインクリニックの解説を参考に、「いつ・どのくらい飲み忘れたときに、どうすればよいか」をわかりやすく整理しました。
ただし、最終的な判断は必ず医師・薬剤師と相談してください。
【薬剤師監修】ピルの飲み忘れ、どうする?基本の対処法

気づいた時点ですぐに1錠服用が原則
低用量ピルを1錠飲み忘れてから24時間未満であれば、気づいた時点ですぐに飲み忘れた1錠を服用し、その後は通常通り決まった時間に服用を続けるのが基本です。
このとき、当日分と合わせて1日に2錠服用しても問題ないとする国内オンライン診療サービスの解説もあります。
私が患者さんに説明する際は、「朝10時に飲むはずだったのを夜8時に気づいた場合、そのタイミングで1錠飲んで、翌日からまた朝10時に1錠ずつ飲む」という具体例を出すと理解していただきやすいと感じています。
飲み忘れた錠剤をなるべく早く(できれば気付いた時点で)服用する。
残りの錠剤は予定通りに服用する(同じ日に2錠服用してもよい)。
薬剤師の回答:24時間以内であれば多くの場合避妊効果は保たれますが、「絶対」ではありません。特にシート第1週(飲み始め1週目)での飲み忘れは影響が大きくなります。
不安な場合は、7日間コンドームを併用するか、性行為を避けることをおすすめします。
必ず処方医に相談してください。
飲み忘れた時間・日数別の正しい対処法を徹底解説
ここからは、飲み忘れた時間や日数によって対処法がどう変わるかを、表形式でわかりやすくまとめました。
ただし、これはあくまで一般的な目安です。
ピルの種類(1相性・3相性など)や個人の状況によって最適な対応は異なるため、必ず医師・薬剤師に確認してください。
| 飲み忘れた時間 | 対処法 | 避妊効果への影響 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 12時間未満 | 気づいた時点で1錠服用。
その日の分は通常時間に服用 |
ほぼ影響なし | 心配であればコンドーム併用 |
| 12〜24時間 | 気づいた時点で1錠服用。
その日の分も通常時間に服用(1日2錠になる) |
影響は少ないが、注意が必要 | 第1週での飲み忘れは特に注意 |
| 24〜48時間(1〜2日) | 気づいた時点で1錠服用。
その日の分も通常時間に服用 |
避妊効果が低下する可能性あり | 7日間は追加避妊(コンドーム)が必要 |
| 48時間以上(3日以上) | 医師に相談。
シート中止→次回生理から再開の指示が出ることも |
避妊効果は大きく低下 | 緊急避妊薬(アフターピル)の検討が必要な場合あり |
24時間未満の飲み忘れの場合
飲み忘れに気づいた時点で、忘れていた1錠をすぐに服用し、その日の分はいつもの時間に飲みます(結果的に1日2錠になっても可)。
この程度の遅れであれば、多くの場合避妊効果はほとんど低下しないとされますが、絶対的な保証はありません。
私の経験では、患者さんの中には「2錠飲んで大丈夫?」と不安になる方が多いのですが、1日に2錠服用することで重大な副作用が起きたという報告はほとんどありません。
ただし、軽い吐き気や頭痛を感じる方はいらっしゃるので、その場合は医師に相談してください。
24時間以上(1日)の飲み忘れの場合
⚠️ 重要な注意事項前日分を含めて2錠分以上を飲み忘れた場合は、避妊効果が低下する可能性があります。
飲み忘れに気づいた時点で前日分の1錠を服用し、当日分はいつもの時間に服用します(結果的に1錠は飛ばす形)。
この場合、実薬を7日間連続で正しく服用するまでは、コンドームなどの追加避妊が強く推奨されます。
2日(2錠)の飲み忘れ:避妊効果は弱まるため、実薬を7日間連続服用するまでは、性行為を避け、難しい場合はコンドームなどの避妊具を使用しましょう。
避妊に失敗した場合は、アフターピルの検討が必要です。
48時間以上(2日以上)の飲み忘れの場合
🚨 緊急対応が必要なケース3錠以上の飲み忘れ(48時間以上)では、排卵が起こる可能性があり、避妊効果は大きく低下します。
この場合、以下の対応が必要です:
- すぐに医師に連絡:シートの服用を中止し、次の生理が来てから新しいシートで飲み直すよう推奨されることがあります
- 性行為は避ける:少なくとも次の生理が来るまで、または医師の指示があるまで
- 緊急避妊薬(アフターピル)の検討:飲み忘れ期間中に性行為があった場合、72時間以内(できれば24時間以内)にアフターピルの服用を検討
実際に「3日間飲み忘れに気づかなかった」という患者さんから相談を受けたことがありますが、この場合は必ず医師の診察を受けていただきました。
自己判断は絶対に避けてください。
薬剤師の回答:絶対にやめてください。
3錠以上をまとめて服用すると、強い吐き気や嘔吐、ホルモンバランスの急激な変動などのリスクがあります。飲み忘れた分は最大2錠まで(24時間以内の飲み忘れの場合)とし、それ以上の場合は必ず医師に相談してください。
【薬剤師からのお願い】
ピルの飲み忘れが2日(48時間)以上にわたる場合や、飲み忘れがシートの飲み始め(第1週)に起こった場合は、避妊効果が大きく低下し、自己判断で対処すると妊娠のリスクが高まります。
必ず服用を一旦中止し、処方を受けた医師または薬剤師にすぐにご連絡ください。
また、飲み忘れに気づいた直前の7日間に性行為があった場合は、緊急避妊薬(アフターピル)の検討が必要になることもあります。
Q&A形式で疑問を解消!【現場の薬剤師からのアドバイス】
Q. ピルを服用中に下痢や嘔吐があった場合も飲み忘れと同じ扱いになりますか?
A. 激しい下痢や嘔吐(服用後3時間以内)があった場合、薬の成分が十分に体内に吸収されていない可能性があり、実質的な「飲み忘れ」と同じように考える必要があります。
服用後3時間以内に嘔吐があった場合は、すぐに新しいピルを1錠服用してください。
その後、下痢や嘔吐が24時間以上続く場合は、飲み忘れ(24時間以上)と同様に、追加避妊(コンドーム)を行い、医師または薬剤師に相談してください。
ピルを飲む時間についてのよくある質問

毎日同じ時間に飲むのが理想的な理由
ピルは毎日ほぼ同じ時間に服用することで、体内のホルモン濃度を安定させ、避妊効果を十分に発揮させることができます。
時間がバラバラになると飲み忘れリスクが上がるだけでなく、ホルモン量の変動から不正出血などの副作用が出やすくなるとされています。
私が患者さんに説明する際は、「ピルは血液中のホルモン濃度を一定に保つことで効果を発揮するお薬です。
毎日違う時間に飲むと、ホルモン濃度が上がったり下がったりして、体が混乱してしまいます」とお伝えしています。
飲むタイミングはいつがベスト?生活スタイルに合わせよう
食後・就寝前など、毎日必ず行う行動とセットにしておくと、飲み忘れ防止につながります。
朝よりも夜、あるいは就寝前の方が生活リズムに合う人も多いため、自分の生活スタイルに合わせて「続けやすい時間」を選ぶことが大切です。
💡 飲み忘れを防ぐ時間帯の選び方
- 朝型の人:朝食後や歯磨き後など、朝のルーティンとセット
- 夜型の人:夕食後や就寝前のスキンケア後など
- 不規則な生活の人:必ず行う行動(歯磨き、スマホチェックなど)とセット+アラーム設定
もし飲む時間がずれてしまったら?
通常の服用時間から数時間程度のずれであれば、気づいたタイミングでそのまま服用して問題ないとされています。
一般的に、2〜3時間程度のずれであれば避妊効果に影響はないとされていますが、12時間を超えると「飲み忘れ」として扱い、前述の時間・日数別のルールに沿って対処しましょう。
ピルを飲み忘れた時の注意点と避妊効果
飲み忘れで避妊効果が下がる可能性
⚠️ 避妊効果低下のリスク
1錠の軽微な飲み忘れ(24時間未満)であれば、多くの場合避妊効果は大きく低下しませんが、2錠以上の連続した飲み忘れでは排卵が起こるリスクが高まります。
特にシート前半(飲み始め1週目)の飲み忘れは影響が大きく、追加避妊や緊急避妊薬の検討が必要になることがあります。
日本産科婦人科学会のガイドラインでも、「実薬を1~2錠飲み忘れた場合、あるいは1~2日飲み始めるのが遅れた場合」には他の避妊法を用いることが推奨されています。
これは、飲み忘れ直前7日間に正しく服用できていたかどうかによっても対応が変わるためです。
実薬1〜2錠飲み忘れた場合、あるいは1~2日飲み始めるのが遅れた場合:できる限り速やかに1錠の実薬を服用し、その後1日に1錠ピルを服用し続ける。
他の避妊法を用いることが望ましい。
不正出血が起こることもある
飲み忘れによりホルモンバランスが乱れると、予定外のタイミングで少量の出血(不正出血)が起こることがあります。
これは、ピルによって抑えられていたホルモンの変動が一時的に起きるためです。
多くは一時的なものですが、長く続く場合や量が多い場合は、他の原因も含めて医師の診察を受けることが勧められます。
私の経験では、「飲み忘れた翌日から茶色いおりものが出てきた」という相談をよく受けます。
これは消退出血(ホルモン低下による出血)の可能性が高く、通常は2〜3日で治まりますが、1週間以上続く場合は必ず受診してください。
薬剤師の回答:不正出血が出ても、基本的にはピルの服用を続けてください。
途中で服用を中止すると、さらにホルモンバランスが乱れて出血が長引くことがあります。ただし、大量の出血や激しい腹痛を伴う場合は、すぐに医師に連絡してください。
子宮外妊娠などの可能性も考えられます。
対処に迷ったら医師や薬剤師に相談を
実際には、使っているピルの種類(1相性・2相性・3相性など)や体質、飲み忘れた週(第1週・第2週・第3週)によって最適な対処が異なることもあります。
自分で判断がつかないときや不安が強い場合は、処方を受けた医療機関やオンライン診療のチャット相談などで、医師・薬剤師に具体的な状況を伝えてアドバイスを受けましょう。
📞 相談先の例
- 処方を受けた婦人科クリニック(電話相談可能なところも多い)
- オンライン診療サービスのチャット相談(24時間対応のところも)
- お近くの薬局の薬剤師(ピルを処方せんで受け取った薬局)
- 緊急の場合:最寄りの産婦人科の救急外来
忙しい毎日でもピルの飲み忘れを防ぐ3つの工夫

ここからは、私が患者さんにいつもおすすめしている「飲み忘れを防ぐ工夫」をご紹介します。
どれも簡単なことですが、実践すると飲み忘れが格段に減りますよ。
① スマートフォンのリマインダー機能を活用する
毎日同じ時間にアラームやリマインダーを設定しておくことで、「うっかり忘れ」をかなり減らすことができます。
飲み終わるまで通知をスヌーズにしておくなど、自分に合った形にカスタマイズすると効果的です。
📱 おすすめのアプリ設定
- iPhone:「リマインダー」アプリで毎日同じ時間に通知
- Android:「Google カレンダー」で繰り返し予定を設定
- 専用アプリ:「ピルリマインダー」「ルナルナ」などのピル管理アプリ
- 設定のコツ:実際に飲む時間の5〜10分前に通知が来るように設定すると、準備ができて便利
② 毎日の習慣とセットにする(例:歯磨き後、就寝前など)
歯磨き、スキンケア、就寝前のスマホチェックなど、必ず行う行動とピル服用をセットにすると、自然とルーティン化しやすくなります。
「どのタイミングなら一番続けやすいか」を一度見直しておくと、長期的な飲み忘れ防止につながります。
私の患者さんの中には、「洗面台の歯ブラシの横にピルを置いておく」という方が多いです。
歯磨きをするたびに目に入るので、飲み忘れにくくなるそうです。
③ 目につきやすい場所にピルを保管する
洗面台の近くやベッドサイドなど、「毎日必ず視界に入る場所」に置いておくことで、物理的なリマインダーになります。
ただし、小さな子どもやペットのいる家庭では、誤飲防止のために手の届かない場所に保管するなど、安全面にも配慮が必要です。
⚠️ ピルの保管に関する注意事項
- 直射日光を避け、高温多湿でない場所に保管(冷蔵庫は不要)
- 子どもやペットの手の届かない場所に(誤飲事故に注意)
- 外出時は専用のピルケースに入れて持ち運ぶと便利
- 元のシートのまま保管する(錠剤を取り出して別容器に入れると、どの錠剤か分からなくなる)
ピルの処方はオンライン診療が便利!

スマホで完結!オンラインピル診療のメリット
メリット①:定期配送で飲み忘れやもらい忘れを防げる
オンラインピル診療では、定期配送プランを利用することで、病院に行く時間がなくて手持ちのピルが切れてしまう「もらい忘れ」を防ぎやすくなります。
私の患者さんでも、「仕事が忙しくて病院に行けず、ピルが切れてしまった」という経験をされた方は多いです。
定期配送なら、そんな心配がなくなりますね。
メリット②:最短即日発送ですぐに手元に届く
一部サービスでは、オンライン診療後に最短即日発送に対応しており、「早く治療を始めたい」「手元のピルが残りわずか」というときにもスムーズです。
通常の病院だと予約が取れるまで数日かかることもありますが、オンライン診療なら当日中に診察を受けられることが多いです。
メリット③:予約から診察までスマホ一つで完結
スマホやPCがあれば、自宅や外出先からでも医師の診察を受けられ、チャットやビデオ通話で服用方法や飲み忘れ時の対処について相談することもできます。
特に、飲み忘れた時に「すぐに相談したい」というときに、チャットで気軽に聞けるのは大きなメリットだと感じます。
【PR】おすすめのオンラインピル診療サービス
ピルの服用に関する不安や疑問は、専門の医師に相談できると安心です。
オンラインピル診療なら、自宅にいながらスマホで診察を受けられ、ピルを自宅まで届けてもらえます。
特に「こちらのサービス」は、定期配送プランが割引になるなど、続けやすい価格設定が魅力です。
最短即日発送にも対応しているので、急いでいる方にもおすすめできます。
まずは公式サイトで詳細をチェックしてみてください。
まとめ:ピルを飲み忘れても慌てず正しく対処しよう
ピルの飲み忘れ時は、「気づいたらすぐ1錠」「24時間以上か・2錠以上か」で対応が変わることを押さえたうえで、必要に応じて追加避妊や医師への相談を行うことが大切です。
特に、48時間以上の飲み忘れや、シート第1週での飲み忘れは避妊効果への影響が大きいため、必ず医師に相談してください。
【ピル飲み忘れ時の重要ポイント】
- ピルの飲み忘れは、気づいた時間と日数によって正しい対処法が異なり、24時間未満であれば基本的に気づいた時点ですぐ1錠服用する。
- 1日2錠の服用は多くの場合問題ないが、2錠以上の飲み忘れや48時間以上経過した場合は避妊効果が低下する可能性がある。
- 特にシート第1週の飲み忘れは影響が大きく、追加避妊や医師・薬剤師への相談が重要となる。
- 下痢や嘔吐が服用後3時間以内に起きた場合も、実質的な飲み忘れとして対応が必要である。
- 飲み忘れ防止には、アラーム設定や生活習慣との紐づけ、オンライン診療の活用が有効とされている。
そして何より、リマインダーや生活習慣の工夫で飲み忘れ自体を減らすことが、安心してピルを続けるいちばんの近道になります。
私も多くの患者さんに「飲み忘れは誰にでも起こりうること。
大切なのは、その時に正しく対処することと、次からは忘れないように工夫すること」とお伝えしています。
この記事が、ピルを服用する皆さんの不安を少しでも和らげ、正しい知識を持って対処する助けになれば幸いです。
📚 参考文献・情報源
- 日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン2020年度版」
- 日本産婦人科医会「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」
- 各種オンライン診療クリニックの医師監修記事(本文中に引用記載)
【重要:免責事項とお願い】
この記事は認定薬剤師である監修者の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。
特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。
個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、必ず服用されている薬の主治医または薬剤師にご相談ください。
(※特に処方薬に関するアドバイスは、必ずお薬をもらった調剤薬局の薬剤師にご確認ください。)
