
記事監修
薬剤師 YS
薬剤師歴15年以上の経験を持つ現役薬剤師です。ドラッグストア、調剤薬局、管理薬剤師として幅広い薬の知識と実務経験を持っています。生活に役立つ医療情報を専門家の視点から分かりやすく解説します。
市販の胃薬選びに迷っていませんか?
「最近胃もたれがひどい」「胸やけが慢性的に続く」といった症状に悩まされている方は、本当に効く胃薬を知りたいですよね。
今回のランキングは、特に「胃酸」が原因となる症状に焦点を当てたものです。
※この情報は一般的な内容です。体調に不安がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。

「えっ!?タケプロンって市販で買えるようになったんですか?前は病院じゃないと無理だったのに…」

「そうなんです。2025年にOTC化されて、ドラッグストアでも手に入るようになりました。効果も処方薬とほぼ同等ですよ。」
薬剤師が教える!市販胃薬「強さランキング」にPPIが続々登場
タケプロン®sなど最新のPPI(プロトンポンプ阻害薬)が続々と登場したことで、市販胃薬の勢力図は大きく変わりました。
ここでは、効果の強さ別に最新のランキングをご紹介します。
効果の強さ別ランキング最新版(最新のPPIも含むTOP4)
薬剤師の視点から見た、効果の強さランキングは以下の通りです。
※効果や副作用には個人差があります。使用前には必ず添付文書を読み、使用上の注意を守ってください。
順位 | 胃薬の種類 | 代表的な製品名・成分 | 特徴・効果のポイント |
---|---|---|---|
1位 | PPI(プロトンポンプ阻害薬) | タケプロン®S(ランソプラゾール) オメプラール®S(オメプラゾール) パリエット®(ラベプラゾール) |
・胃酸の分泌を強力かつ根本から抑制 ・効果の持続時間が長い ・強い効果が期待できると注目 |
2位 | H2ブロッカー | ガスター10®(ファモチジン) | ・胃酸分泌抑制効果が高く即効性あり ・急な胸やけや胃痛に有効 |
3位 | 制酸剤 | キャベジン®(炭酸水素ナトリウム、水酸化マグネシウムなど) | ・胃酸を中和して痛みを一時的に和らげる ・穏やかな効果で軽度の胃もたれや消化不良に適する |
4位 | 健胃消化剤 | 太田胃散®(消化酵素、生薬など) | ・消化を助ける成分が含まれる ・胃もたれや食欲不振に効果的 ・漢方成分を含むものも多い |
PPIの強みと、他の胃薬(H2ブロッカーなど)との違い
PPIは胃酸の分泌を根本からブロックするため、H2ブロッカーよりも効果が強力で持続時間も長いのが特徴です。
そのため、慢性的な胸やけや胃もたれに悩んでいる方に特に適しています。
一方で、即効性を求める場合はH2ブロッカーの方が優れている場合もあります。

「朝からずっと胃が重くて…食べるのもつらい日が続いてたんです。
でも、PPIを飲み始めてから、すごくラクになってきました!」

「慢性的な胃酸過多にはPPIが最も効果的です。
症状が続く場合は医師に相談しながら継続しましょうね。」
症状別おすすめ胃薬まとめ(PPIを使いこなす)
ご自身の症状に合わせて、最適な胃薬を選びましょう。
最新のPPIはどんな症状に向いているのでしょうか。
胸やけ・胃もたれに最適な胃薬は?
「朝起きたときから胸やけがする」「食事のたびに胃が重い」など、慢性的な胃酸過多による症状に悩んでいる方には、タケプロン®SをはじめとするPPIが最もおすすめです。
胃酸の分泌自体を強力に抑えるため、根本的な改善が期待できます。
即効性が欲しい人は? → H2ブロッカー(ガスター10®等)
「急な胃のキリキリした痛み」「食事中に突然胸やけが始まった」など、一時的で強い症状にはH2ブロッカー(ファモチジン)が効果的です。
服用後比較的早く効果が現れるため、緊急時の対応として役立ちます。
やさしさ重視なら? → 制酸剤・健胃消化剤系(キャベジン®など)
「食べ過ぎて少し胃がもたれた」「胃酸は気にならないけど、なんとなく胃の調子が悪い」といった軽度の症状には、制酸剤や健胃消化剤が適しています。
胃にやさしい成分が多く、気軽に試しやすいのが特徴です。

「急に胃がキリキリ痛んできて、焦ってガスター10を飲んだら…30分くらいでスーッと治まりました!」

「それは良かったです。H2ブロッカーは即効性があるので、急な胃痛や胸やけにとても有効です。」
胃薬を選ぶときに気をつけたいポイント(薬剤師チェックリスト)
安全に胃薬を使うために、服用前に必ずチェックしてほしいポイントをまとめました。
PPIとH2ブロッカーの併用は避けるべき?副作用や相互作用に注意
PPIとH2ブロッカーの併用については、一般的には避けるべきとされていますが、使用する際は医師や薬剤師に相談してください。
効果が重複するため、医師や薬剤師の指示がない限り併用はしないようにしましょう。
また、胃腸薬以外の薬を服用している場合は、必ず薬剤師に相談してください。
使用上限は?長期服用や2週間以上の継続は避けよう
「市販のPPIは、通常2週間までの服用が基本です。また、3〜5日服用しても症状の改善が見られない場合は、直ちに服用を中止し、医師の診断を受けてください。」
出展:タケプロン®S 添付文書
市販薬のPPIは、2週間までの短期服用が基本です。
また、 3日間服用しても症状の改善が見られない場合も、自己判断で服用を続けるのではなく、必ず医療機関を受診してください。
より重大な病気が隠れている可能性もあります。
薬剤師の解説Q&A
「胃もたれならH2ブロッカーで即効」—薬剤師が効果別にアドバイス
すべての胃もたれにPPIが良いわけではありません。
例えば、単なる食べ過ぎによる胃もたれで即効性を求めるなら、H2ブロッカーや消化剤の方が適している場合もあります。
症状を正確に把握し、適切な薬を選ぶことが重要です。
こんなときは病院へ相談を—症状や使い方の不安に対する対応
以下のような場合は、市販薬で様子を見ず、速やかに医療機関を受診しましょう。
- 胸やけだけでなく、胸の痛みや呼吸困難がある。
- 2週間以上服用しても症状が改善しない。
- 体重が急に減った。
- 黒い便が出るなど、消化器系の出血が疑われる。
まとめ|薬剤師が言う「最強の胃薬」とは?
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胃薬の中で最も効果が強いのはPPI(プロトンポンプ阻害薬)
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タケプロン®S・パリエット®・オメプラール®Sなどは新登場の市販PPI
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即効性ならH2ブロッカー(ガスター10®)がおすすめ
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軽い胃もたれや消化不良には制酸剤や健胃消化剤(キャベジン®、太田胃散®)が適する
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症状に合わせた薬選びと、2週間以上の継続服用は避けることが重要