【薬剤師監修】解熱剤座薬の正しい入れ方|出てきた時の対処法・使うタイミングを解説

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  • ✔ 本記事は、小児科学的知見・各製品添付文書に基づき、監修者が内容の正確性と安全性を確認しています。

 

📋 この記事でわかること
✔ 解熱剤座薬の正しい入れ方(体勢・角度・押さえる時間)
✔ 入れた直後に出てきてしまった場合の判断基準
✔ 座薬を分割する場合の注意点
✔ 2種類の座薬(けいれん予防+解熱)を使うときの順番
✔ 座薬の保管方法と使用期限

「座薬を処方されたけど、入れ方に自信がない」「入れてすぐ出てきてしまったら、もう一度入れていいの?」——座薬は飲み薬と勝手が違うため、初めて使う保護者の方が不安に感じるのは自然なことです。

 

座薬は肛門内にしっかり入れ、押し戻されない程度の深さまで挿入することがポイントであり、目安として乳幼児では指先から第一関節程度を参考にしますが、年齢や体格によって異なります。

浅い位置にあると排出されやすくなることがあるため、座薬が自然に抜けない程度まで適切に挿入することが大切です。

入れた直後に形を保ったまま出てきた場合は入れ直しますが、しばらく時間が経ってから排便とともに出てきた場合はすでに吸収されている可能性があるため、自己判断で追加せず医師や薬剤師へ確認してください。

 

座薬のメリット

座薬は肛門から挿入し、体温で溶けて直腸の粘膜から吸収される薬です。飲み薬と比べて以下のメリットがあります。

- 薬を飲み込めない小さな子どもでも使える
- 吐き気・嘔吐がある場合でも使える(口から入れる薬が吐き戻されてしまう状況でも対応可能)
- 肝臓での代謝を受ける前に直接吸収されるため、比較的早く効果が期待できる

高熱でぐったりしている・吐き気がある・飲み薬をどうしても嫌がる、といった場面で座薬が選ばれる理由はここにあります。

 

座薬の正しい入れ方【手順】

【図①】座薬の入れ方・手順

STEP1. 手をきれいに洗う
STEP2. 赤ちゃんはおむつ替えと同じ体勢、少し大きい子は仰向けで両足を持ち上げる
STEP3. 座薬の先端を少量の水で濡らす、または必要に応じてワセリンなどを少量使用すると挿入しやすくなります。
STEP4. とがった方から肛門に入れ、座薬が戻ってこない程度までゆっくり挿入します(乳幼児では無理に深く入れる必要はありません)。
STEP5. 挿入後、ティッシュなどで肛門を10〜30秒ほど軽く押さえる
STEP6. 手をきれいに洗って完了

※図①:座薬の入れ方の基本手順(gran-clinic.jp作成・小児科学的知見に基づく)

 

なぜ「1.5〜3cm」まで入れる必要があるのか

浅い位置にとどめると、肛門付近の筋肉(内肛門括約筋)の働きによって座薬が押し出されやすくなります。

もう少し奥の、直腸が広がった部分(直腸膨大部)まで入れることで、子どもが力んでも出てきにくく安定して吸収されます。

 

スムーズに入れるコツ

座薬の先端を少し水で濡らす、または手で軽く温めて表面を溶かすと滑りが良くなります。

子どもに「あー」と声を出してもらう、またはゆっくり口呼吸をしてもらうと、肛門の力が抜けやすくなります。

 

入れた後に出てきてしまった場合の判断基準

状況 対応
入れた直後、形を保ったまま出てきた もう一度同じ座薬を入れ直す
しばらく時間が経ってから便と一緒に出てきた場合 便の中に座薬の形が残っていなければ、すでに吸収されている可能性が高いため、自己判断で追加せず医師や薬剤師へ確認してください。
溶けた状態・液体状で出てきた 吸収されている可能性があるため、追加使用は自己判断せず、処方時の指示を確認してください。

※表①:座薬が出てきてしまった場合の判断基準(gran-clinic.jp作成・複数の医療機関公開情報に基づく)

 

💡 薬局での現場から:「座薬が出てきてしまったのですが、追加していいですか」という相談は非常に多いです。判断のポイントは「時間」と「形」です。入れてすぐ・原形のまま出てきたら入れ直してOK、時間が経ってから便と一緒に、かつ座薬の原形が見えないなら「すでに吸収済み」と考えて追加しないのが基本です。迷う場合は無理に追加せず、かかりつけの医療機関・薬局に相談してください。

**1歳未満の赤ちゃんの場合、座薬の刺激で便が出ると同時に座薬も出てしまうことがあります。**

可能であれば排便を済ませてから座薬を入れることで、このリスクを減らせます。

 

座薬を分割して使う場合の注意点

医師の指示で座薬を半分にカットして使うよう指示されることがあります。

- 冷たい状態でカットしようとすると割れてしまうことがあるため、常温に戻すか手で軽く温めてからカットする
- 使わない残り半分は衛生管理のため保存せず廃棄する
- カットする大きさは必ず処方時の指示通りにする

 

2種類の座薬(けいれん予防+解熱)を使うときの順番

熱性けいれんの予防坐薬(ダイアップなど)と解熱剤の座薬を両方使う場合、**熱性けいれん予防の坐薬(例:ダイアップ)と解熱剤の坐薬を併用する場合は、一般的にけいれん予防の坐薬を先に使用し、解熱剤は医師から指示された間隔をあけて使用します。**

同時に、または逆の順番で使うと、けいれん予防薬の吸収が妨げられ、予防効果が十分に発揮されない可能性があります。

 

👉 子どもの熱性けいれんと解熱剤の関係についてはこちら

 

解熱剤座薬を使うタイミング

解熱剤は体温の数値だけで判断するものではなく、子どもの様子(つらそうかどうか)で使用を検討します。

- 発熱の高さだけでなく、子どものつらそうな様子、水分摂取の状態などを総合的に考慮して使用を判断します。
- 高熱でもよく眠っている・元気がある場合は無理に使う必要はない
- 眠っている子どもを起こしてまで使う必要はない

 

使用後は6〜8時間以上の間隔をあけることが基本です。座薬を使っても効果が感じられず、やむを得ず追加する場合でも、最低2時間はあけて前回の半量とするなど、細かいルールがあるため、必ず処方時の指示に従ってください。

 

👉 子どもの解熱剤は何度から使う?間隔・受診目安はこちら

 

座薬の保管方法

座薬には「油脂性」と「水溶性」の2種類があり、保管方法が異なります。

- **油脂性座薬**:体温で溶けるタイプ。冷蔵庫(2〜8℃)で保管する
- **水溶性座薬**:直腸内の水分を吸収して溶けるタイプ。常温(1〜30℃)保存が可能

 

処方されたときに薬剤師から保管方法の説明を受けた通りに保管してください。

使用期限は製品によって異なるため、外箱や薬袋に記載された期限を確認してください。

体重によって適切な投与量が変わるため、以前処方された座薬を自己判断で再使用することは避け、使用前に医療機関・薬局に確認してください。

 

すぐに受診すべき症状

以下のいずれかに当てはまる場合は座薬での対処を続けず医療機関を受診してください:

- 座薬を使用してもぐったりした状態が続く、または症状が悪化する場合
- 3か月未満の赤ちゃんの発熱
- ぐったりして意識がはっきりしない
- けいれんを起こした
- 水分が全く摂れない

 

まとめ|解熱剤座薬の正しい使い方

- 肛門から1.5〜3cm(大人の指の第一関節程度)まで挿入するのがポイント
- 入れた直後に原形のまま出てきたら入れ直す。時間が経ってからなら追加不要な場合が多い
- けいれん予防座薬を先に、30分以上あけてから解熱剤座薬という順番を守る
- 体温の数値ではなく「つらそうか」で使用を判断する
- 使用後は6〜8時間以上の間隔をあける
- 効果が見られない・ぐったりしている場合は速やかに受診を

 


【重要:免責事項とお願い】

この記事は認定薬剤師である監修者の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。

特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。
個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、必ず服用されている薬の主治医または薬剤師にご相談ください。
(※特に処方薬に関するアドバイスは、必ずお薬をもらった調剤薬局の薬剤師にご確認ください。)

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