

【監修・運営責任者】 現役 管理薬剤師 兼 運営マネージャー
- ✅ 運営責任者:当サイト管理薬剤師(現場経験15年以上)
- ✅ 専門資格:認定薬剤師、認定実務実習指導薬剤師
- ✔ 15年以上にわたり、累計10万枚以上の処方箋を扱った豊富な臨床経験。
- ✔ 大学病院門前薬局での高度な専門処方(がん治療・難病薬)対応実績あり。
- ✔ 地域薬局・ドラッグストアでの一般の方への服薬指導・健康相談実績多数。
- ✔ 本記事は、厚生労働省など公的機関の公開情報を参考に、薬剤師が内容を確認しています。
✔ 夏に細菌性食中毒が増える理由
✔ 厚生労働省が示す食中毒予防の三原則
✔ 主な原因菌と症状の特徴
✔ 食中毒が疑われるときに下痢止めを使ってはいけない理由
✔ すぐに受診すべき症状
家庭の食事でも食中毒は発生します。「レストランや旅館の食事が原因」というイメージを持つ方が多いですが、厚生労働省の食中毒統計では、家庭で調理した食品が原因となる事例も報告されています。
食中毒は一年を通じて起こりますが、原因となる微生物によって流行する季節が異なります。
冬はノロウイルスなどのウイルス性が中心なのに対し、気温・湿度が高くなる夏は細菌性の食中毒が増えるのが特徴です。
予防の基本は厚生労働省が示す「つけない・増やさない・やっつける」の三原則です。
また、食中毒が疑われる下痢に市販の下痢止めを自己判断で使うと、原因菌の排出が妨げられ、症状の悪化・治癒遅延のリスクがあるため注意が必要です。
なぜ夏に食中毒が増えるのか
食中毒を引き起こす細菌の多くは、温度・湿度などの条件が整うと増殖しやすく、夏場は特に注意が必要です。
夏場は気温・湿度が高く、細菌にとって増殖しやすい環境が整いやすいため、細菌性食中毒が集中します。
調理してから食べるまでに時間が空いたお弁当・作り置き、屋外のバーベキューなどは特に注意が必要です。
厚生労働省が示す食中毒予防の三原則
細菌がもし、まな板に付いていたとしても、肉眼では見えません。しかし、目に見えなくとも簡単な方法をきちんと行えば細菌による食中毒を予防することができるのです。
出典:厚生労働省|家庭でできる食中毒予防の6つのポイント
【図①】食中毒予防の三原則
| 原則 | 具体的な行動 |
|---|---|
| ①つけない | 手洗いの徹底、生肉・生魚と他の食品を分けて保存・調理する |
| ②増やさない | 購入後はできるだけ早く冷蔵庫へ。多く作ったものは製造後すぐ小分けして冷蔵 |
| ③やっつける | 中心部を75℃以上で1分間以上加熱。調理器具は洗浄・消毒する |
※図①:食中毒予防の三原則(gran-clinic.jp作成・厚生労働省公開情報に基づく)
冷蔵庫内でも細菌が完全に増殖しないわけではないため、早めに食べることや適切な保存が重要です。
ノロウイルスの汚染が疑われる二枚貝などは、中心部を85〜90℃で90秒間以上加熱することが目安とされています。
夏に多い食中毒の原因菌と症状
| 原因菌 | 主な原因食品 | 主な症状 |
|---|---|---|
| カンピロバクター | 鶏肉全般 | 発熱・下痢・腹痛(潜伏期間2〜5日) |
| サルモネラ菌 | 生肉・鶏肉・卵 | 腹痛・下痢・発熱・嘔吐(潜伏期間6〜72時間) |
| 黄色ブドウ球菌 | 調理する人の手から感染 | 嘔吐・腹痛(発症が早いのが特徴) |
| 病原性大腸菌(O157等) | 牛肉(特にレバー) | 激しい腹痛・血便(重症化のリスクあり) |
※表①:夏に多い食中毒の代表的な原因菌(gran-clinic.jp作成・厚生労働省食中毒統計資料に基づく)
食中毒が疑われるときに下痢止めを使ってはいけない理由
食中毒が疑われる場合、まず脱水を防ぐための水分・電解質補給を優先し、腸の動きを止める下痢止めの自己判断での使用は避けてください。
👉 下痢止めの選び方・感染性下痢に使ってはいけない理由の詳細はこちら
食中毒が疑われるときの対応
1. 水分・電解質を補給する(脱水が心配な場合は経口補水液なども選択肢になります)
2. 安静にする
3. 症状が重い場合や改善しない場合は医療機関を受診する
4. 同じ食事をした人に同様の症状が出ていないか確認する
経口補水液 ◆大塚製薬オーエスワン(OS-1)
受診を優先すべき症状
⚠️ 以下のいずれかに当てはまる場合は速やかに医療機関を受診してください:
- 高熱を伴う
- 血便・粘血便がある
- 激しい腹痛が続く
- 水分がほとんど摂れない・脱水症状がある
- 数日たっても症状が改善しない、または悪化している
- 同じ食事をした複数人が同様の症状を訴えている
家庭での食中毒は症状が軽い・発症者が少ないことから軽い胃腸炎などと思われる場合もありますが、症状によっては早めの相談が必要です。
「様子見」を長く続けず、気になる症状があれば早めに医療機関に相談してください。
まとめ|夏の食中毒予防と市販薬の考え方
- 家庭の食事でも食中毒は起こる。全体の約20%は家庭が原因とされる
- 予防の基本は「つけない・増やさない・やっつける」の三原則
- 中心部を75℃以上で1分間以上加熱することが目安
- 食中毒が疑われる下痢に自己判断で下痢止めを使うのは避ける。症状悪化のリスクがある
- まず水分・電解質補給を優先し、症状が重い場合は速やかに受診する
【重要:免責事項とお願い】
この記事は認定薬剤師である監修者の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。
特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。
個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、必ず服用されている薬の主治医または薬剤師にご相談ください。
(※特に処方薬に関するアドバイスは、必ずお薬をもらった調剤薬局の薬剤師にご確認ください。)






