

【監修・運営責任者】 現役 管理薬剤師 兼 運営マネージャー
- ✅ 運営責任者:当サイト管理薬剤師(現場経験15年以上)
- ✅ 専門資格:認定薬剤師、認定実務実習指導薬剤師
- ✔ 15年以上にわたり、累計10万枚以上の処方箋を扱った豊富な臨床経験。
- ✔ 大学病院門前薬局での高度な専門処方(がん治療・難病薬)対応実績あり。
- ✔ 地域薬局・ドラッグストアでの一般の方への服薬指導・健康相談実績多数。
- ✔ 本記事は、公的データ(厚生労働省等)に基づき、監修者が内容の正確性と安全性を確認しています。
✔ 頭痛のタイプ別(緊張型・片頭痛・群発頭痛)に最適な市販薬
✔ ロキソニンS・イブ・バファリン・タイレノールの違いと使い分け
✔ 「飲みすぎると逆効果」になる薬物乱用頭痛のリスクと対処法
✔ 胃が弱い人・妊婦・運転前・子どもへの選び方
✔ 市販薬で対応できない頭痛と受診の目安
突然の激しい頭痛や慢性的な頭痛に悩み、ドラッグストアへ駆け込んだとき、「ロキソニンとイブの違いは何か」「仕事中に眠くならない頭痛薬はどれか」と迷った経験を持つ方は非常に多いです。
結論からいうと、市販の頭痛薬(解熱鎮痛薬)は、配合されている有効成分と痛みのメカニズムによって大きく4つのタイプに分類されます。
例えば、血管の拡張や炎症を伴うズキズキとした片頭痛・生理痛には第一選択となるNSAIDs(ロキソプロフェン・イブプロフェン)、胃粘膜への負担を減らしたい方やインフルエンザ流行期の発熱・子ども(小児)の頭痛にはアセトアミノフェン(タイレノールA)が適しています。
ただし、市販の鎮痛薬を月10日以上目安で過剰に飲み続けると、皮肉にも薬自体が新たな頭痛を引き起こす「薬物乱用頭痛(薬剤の使用過多による頭痛)」を誘発するリスクがあるため、自己判断での長期連用は禁物です。
まず「自分の頭痛のタイプ」を把握する
頭痛の種類によって適した薬が異なります。ご自身の頭痛症状がどの原因に該当するのかをあらかじめセルフチェックしておくことが、適切な有効成分を選ぶための重要なポイントです。
緊張型頭痛:後頭部・頭全体が締め付けられるように痛む
頭痛の中で最も多いタイプです。長時間のデスクワーク・スマホ使用・肩こりによる筋肉の緊張が原因で、頭全体または後頭部がじわじわ締め付けられるように痛みます。
片頭痛とは異なり、光・音への過敏症(不快感)や激しい吐き気を伴うことは基本的にありません。
→ **NSAIDs(ロキソプロフェン・イブプロフェン)またはアセトアミノフェン**が対応できます。
片頭痛:こめかみが脈打つようにズキズキ痛む
光・音・においに敏感になり、吐き気を伴うことがあります。痛みは4〜72時間続くことが多く、体を動かすと悪化するのが特徴です。
20代〜40代の女性に多く見られ、女性ホルモンの変動が連動する「月経(生理)前後」や排卵期に周期的に起きやすいのが特徴です。
→ **NSAIDs(特にロキソプロフェン)**を痛みが出始めた早い段階で飲むと効果的です。
ただし、日常生活に支障をきたすほど強い片頭痛に対しては市販の鎮痛薬では十分な効果が得られないケースが多く、医療機関(脳神経内科や頭痛外来)で処方される「トリプタン系薬剤」や最新の「CGRP関連薬剤」による専門的治療が必要となります。
群発頭痛:目の奥が激しく痛む・じっとしていられないほどの痛み
片側の目の奥が「えぐられるような・突き刺すような」耐え難い激痛に襲われ、数週間から数ヶ月にわたり、一定の時間帯に発作を繰り返す傾向があるのが特徴です。同じ側の目が充血・流涙することがあります。
→市販薬のみでの対処が難しい場合があります。神経内科または頭痛外来を受診してください。
代表的な市販頭痛薬の成分と特徴比較
| 商品名 | 主成分 | 鎮痛力 | 胃への影響 | 眠気 | 15歳未満 |
|---|---|---|---|---|---|
| ロキソニンS | ロキソプロフェン60mg | ◎ 強い | 中程度 | なし | 禁止 |
| ロキソニンSプラス | ロキソプロフェン+胃粘膜保護 | ◎ 強い | 少ない | なし | 禁止 |
| イブA錠 | イブプロフェン150mg | ○ 強め | 中程度 | なし | 禁止 |
| タイレノールA | アセトアミノフェン300mg | △ 穏やか | 少ない | なし | 禁止※ |
| バファリンルナJ | アセトアミノフェン(小児用) | △ 穏やか | 少ない | なし | 7歳〜 |
| セデスハイ | エテンザミド+鎮静成分 | ○ 強め | 中程度 | あり | 禁止 |
※タイレノールAは15歳未満禁止。子どもには小児用製品を使用してください。
状況別おすすめ頭痛薬の選び方
炎症・ズキズキする強い痛みに:ロキソニンS
急激に襲ってくる片頭痛や、プロスタグランジンが関与する生理痛・歯痛といった「炎症を伴う強い痛み」に対しては、医療用と同量配合されたロキソプロフェンナトリウム水和物(ロキソニンS)が極めてシャープな効き目を発揮します。
本剤は比較的速く効果を感じやすいとされており、購入時には法に基づき薬剤師による適正使用の確認(情報提供)が必要な第1類医薬品に分類されています。
胃が心配な方はロキソニンSプラス(胃粘膜保護成分メタケイ酸アルミン酸マグネシウム配合)を選んでください。
胃が弱い・空腹時に飲む場合:タイレノールA
アセトアミノフェンは胃粘膜のプロスタグランジンにほとんど影響しないため、空腹時でも服用できます。
NSAIDsで胃が荒れた経験がある方・高齢者・インフルエンザの発熱を伴う頭痛に向いています。
運転前・仕事中に飲む場合:ロキソニンS・タイレノールA
眠気成分(アリルイソプロピルアセチル尿素・ブロモバレリル尿素)を含まない製品を選んでください。
例えば「セデス・ハイ」や「ナロンエースプレミアム」などには、鎮痛効果を高める目的で鎮静成分(アリルイソプロピルアセチル尿素やブロモバレリル尿素)が配合されているため、服用後は自動車の運転や機械類の操作を避ける必要があります。
子どもの頭痛:バファリンルナJ(7歳〜)・小児用バファリンCII
市販の成人用ロキソプロフェン製剤は15歳未満では使用できません。
イブプロフェンも製品ごとに対象年齢が異なるため、小児用製品を選んでください。子どもにはアセトアミノフェン配合の小児用製品のみ使用してください。インフルエンザの発熱を伴う頭痛にも使えます。
👉 子どもに飲ませていい市販薬の年齢別一覧はこちら
妊娠中・授乳中の頭痛:アセトアミノフェンのみ
妊娠中のNSAIDs(ロキソプロフェン・イブプロフェン)の使用は注意が必要で、特に妊娠後期では使用できません。
産婦人科外来でも第一選択とされるアセトアミノフェンは、妊娠全期を通じて比較的安全に使用できるとされていますが、週数や体質による個別の判断が必要なため、自己判断せず必ず主治医(産婦人科医)またはかかりつけ薬剤師にご相談ください。
「薬物乱用頭痛」という落とし穴【頭痛薬の飲みすぎが頭痛を悪化させる】
市販の頭痛薬を使用する際に知っておきたい重要なポイントです。
競合サイトの多くが表面的にしか触れていませんが、現場で実際に問題になっているケースを踏まえて詳しく解説します。
薬物乱用頭痛とは何か
頭痛の苦痛から逃れるために鎮痛薬(市販薬・処方薬問わず)を過剰にリピートし続けた結果、脳の痛みの感受性が変化し、逆に「薬の成分が切れること自体が引き金となって毎日のように頭痛が起こる」という悪循環につながる病態です。
「薬を飲まないと頭痛が出る」「以前より薬が効きにくくなった」という状態が続いている場合、すでに薬物乱用頭痛になっている可能性があります。
危険なラインの目安
日本頭痛学会の基準では以下が薬物乱用頭痛のリスクラインとされています:
- **NSAIDs(ロキソプロフェン・イブプロフェン)**:月10日以上、3か月以上継続
- **トリプタン系(処方薬)**:月10日以上
- **複合鎮痛薬(カフェイン・鎮静成分配合)**:月10日以上
薬物乱用頭痛になっていたらどうするか
自己判断で急に薬をやめると一時的に頭痛が悪化します。
神経内科または頭痛外来を受診して、適切な離脱・予防治療を受けることが必要です。市販薬での自己管理には限界があります。
頭痛治療薬の使い過ぎにより、慢性頭痛になることがあります。これを「薬物の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」と言います。(中略)頭痛が月に10日以上ある場合は、予防療法を考慮することが勧められます。
出典:一般社団法人 日本頭痛学会|頭痛の診療について
頭痛薬を飲むときの正しいタイミングと注意点
「痛みが強くなる前」に飲むことが効果を高める
頭痛薬は痛みが軽いうちに早めに飲む方が効果的です。
痛みを限界まで我慢してから服用すると、すでに体内で発痛物質(プロスタグランジン等)が多く産生されているため、市販薬が効きにくくなる場合があります。「頭痛が来そうだ」と感じた段階での服用が推奨されます。
水の量・服用方法
頭痛薬はコップ1杯(200ml)以上の水で飲んでください。
水分不足は頭痛の原因にもなるため、服用後も水分を積極的に摂ることが症状の改善を助けます。
カフェインとの組み合わせ
一部の頭痛薬にはカフェインが配合されており、鎮痛効果を高める補助成分として働きます。
ただしカフェイン依存がある方や、すでにコーヒー・エナジードリンクを多く摂取している方は、カフェイン過剰摂取に注意が必要です。
👉 薬とコーヒーの飲み合わせ注意点はこちら
すぐに受診すべき頭痛の症状
以下の症状がある場合は市販薬での対処を続けず、速やかに救急または神経内科を受診してください:
- **突然の激しい頭痛(バットで殴られたような痛み)**:くも膜下出血の可能性
- **発熱・項部硬直(首が硬くなる)を伴う頭痛**:髄膜炎の可能性
- **手足のしびれ・言語障害・視力障害を伴う頭痛**:脳梗塞・脳出血の可能性
- **頭部外傷後の頭痛**:硬膜下血腫の可能性
- **50歳以上で初めて起きた強い頭痛**
これらは脳血管障害や髄膜炎など、緊急性の高い脳疾患の可能性を示す「レッドフラッグシグナル(危険兆候)」であり、市販薬のみで様子を見続けず、速やかな受診が推奨されます。速やかに救急車要請や専門医への受診を行ってください。
【Q&A】市販頭痛薬についてよくある質問
ロキソニンSとイブはどちらがいいですか?
成分の系統は同じNSAIDsですが、ロキソプロフェン(ロキソニンS)は、比較的速く効果を感じやすいとされています。
イブプロフェン(イブA)は血中濃度の低下が緩やかで持続性があります。
効果の感じ方には個人差があるため、症状や使用感に合わせて選ぶことが大切です。ただしロキソニンSは第1類医薬品のため薬剤師への確認が必要です。
頭痛薬を飲んでも効かなくなってきました
使いすぎによる薬物乱用頭痛の可能性があります。
月10日以上飲んでいる場合は神経内科または頭痛外来を受診してください。
頭痛薬と胃薬を一緒に飲んでいいですか?
NSAIDs(ロキソプロフェン・イブプロフェン)と胃粘膜保護薬(ムコスタ類・セルベール)の組み合わせは問題ありません。
ただし他の胃薬や鎮痛薬を併用する場合は、成分の重複や飲み合わせに注意が必要です。不安な場合は薬剤師へ相談してください。
片頭痛に市販薬は効きますか?
軽度〜中等度の片頭痛にはNSAIDs(ロキソプロフェン・イブプロフェン)が有効な場合があります。
ただし重度の片頭痛や月に何度も繰り返す場合は、市販薬での対応に限界があります。脳神経内科または頭痛外来でのトリプタン系薬剤の処方を検討してください。
まとめ|市販頭痛薬の正しい選び方
- 炎症・ズキズキする痛みにはロキソプロフェン(ロキソニンS系)が効果的
- 胃が弱い・インフルエンザ・子ども・妊婦にはアセトアミノフェン(タイレノールA系)
- 運転前・仕事中には眠気成分なしの製品(ロキソニンS・タイレノールA)
- 月10日以上飲んでいる場合は薬物乱用頭痛のリスク。神経内科を受診
- 突然の激しい頭痛・発熱・しびれを伴う場合は市販薬で対処せず即受診
- 頭痛が繰り返す・月数回以上ある場合は頭痛外来での予防治療を検討する
👉 解熱剤の種類とアセトアミノフェン・ロキソニンの違いはこちら
【重要:免責事項とお願い】
この記事は認定薬剤師である監修者の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。
特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。
個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、必ず服用されている薬の主治医または薬剤師にご相談ください。
(※特に処方薬に関するアドバイスは、必ずお薬をもらった調剤薬局の薬剤師にご確認ください。)







