

【監修・運営責任者】 現役 管理薬剤師 兼 運営マネージャー
- ✅ 運営責任者:当サイト管理薬剤師(現場経験15年以上)
- ✅ 専門資格:認定薬剤師、認定実務実習指導薬剤師
- ✔ 15年以上にわたり、累計10万枚以上の処方箋を扱った豊富な臨床経験。
- ✔ 大学病院門前薬局での高度な専門処方(がん治療・難病薬)対応実績あり。
- ✔ 地域薬局・ドラッグストアでの一般の方への服薬指導・健康相談実績多数。
- ✔ 本記事は、公的データ(添付文書・厚生労働省情報)に基づき、監修者が内容の正確性と安全性を確認しています。
✔ 痔の3タイプ(いぼ痔・切れ痔・痔ろう)と市販薬で対応できる範囲
✔ ボラギノールAとプリザエースの成分の違いと使い分け
✔ 軟膏・注入軟膏・坐剤の選び方
✔ ステロイド配合製品を長期使用してはいけない理由
✔ 出血・激しい痛み・膿が出る場合は受診すべき理由
痔は成人の3人に1人が経験するといわれる症状ですが、肛門科に行くことへの抵抗から市販薬で対処しようとする方が多いです。
市販の痔の薬(ボラギノール・プリザエースなど)はいぼ痔・切れ痔の軽度〜中等度の症状に対応できます。
ただし痔ろう(あな痔)は市販薬では対応できず手術が必要なため、膿が出る・発熱を伴う場合は必ず受診してください。
また出血が続く場合は大腸がんなど別の疾患のサインである可能性もあるため、自己判断で市販薬を使い続けることは避けてください。
痔の3タイプと市販薬で対応できる範囲
【図①】痔の3タイプと市販薬対応可否
| タイプ | 主な症状 | 原因 | 市販薬 |
|---|---|---|---|
| いぼ痔(痔核) 内痔核・外痔核 |
肛門にいぼ状の腫れ・出血・痛み・かゆみ | 排便時のいきみ・便秘・下痢による血行不良 | ○ (軽〜中等度) |
| 切れ痔(裂肛) | 排便時の鋭い痛み・少量の出血・排便後も続く痛み | 硬い便による肛門上皮の裂傷・下痢の強い勢い | ○ (軽〜中等度) |
| 痔ろう(あな痔) | 肛門周囲から膿が出る・発熱・激しい痛み | 細菌感染による化膿・肛門周囲膿瘍の慢性化 | × (手術が必要) |
※図①:痔の3タイプと市販薬で対応できる範囲(当サイト作成・一般用医薬品添付文書に基づく)
ボラギノールAとプリザエースの違い【成分比較】
| 成分 | 役割 | ボラギノールA (天藤製薬) |
プリザエース (大正製薬) |
|---|---|---|---|
| プレドニゾロン酢酸エステル | ステロイド・抗炎症 | ✔ | ✗ |
| ヒドロコルチゾン酢酸エステル | ステロイド・抗炎症 | ✗ | ✔ |
| リドカイン | 局所麻酔・痛み止め | ✔ | ✔ |
| 塩酸テトラヒドロゾリン | 血管収縮・止血 | ✗ | ✔(プリザのみ) |
| アラントイン | 組織修復 | ✔ | ✔ |
| l-メントール | 清涼感 | ✗ | ✔ |
※表①:ボラギノールAとプリザエースの主成分比較(gran-clinic.jp作成・各製品添付文書に基づく)
結論:どちらを選ぶべきか
【図②】症状別おすすめの選び方
|
ボラギノールAが向いている方
|
プリザエースが向いている方
|
※図②:症状別ボラギノールA・プリザエースの使い分け(gran-clinic.jp作成)
ステロイドなしの選択肢:ボラギノールM
「ボラギノールA」がステロイド(プレドニゾロン)配合であるのに対し、「ボラギノールM(天藤製薬)」はステロイドを含まない製品です。炎症を抑える作用はやや弱くなりますが、以下の方に向いています。
- ステロイド使用に抵抗がある方
- 妊娠中の方(医師への相談を優先)
- 症状が比較的軽い方
剤形の選び方:軟膏・注入軟膏・坐剤の違い
【図③】痔の薬の剤形別使い分け
| 剤形 | 使用部位 | 向いている症状 |
|---|---|---|
| 軟膏(塗り薬) | 肛門の外側 | 外痔核・切れ痔・肛門外側の痛み・かゆみ |
| 注入軟膏 | 肛門の内側・外側両方 | 内痔核・外痔核・切れ痔。内側への注入と外側への塗布が両方できる |
| 坐剤(座薬) | 肛門の内側 | 内痔核(肛門内側のいぼ痔)・内側の出血・痛み |
※図③:痔の薬の剤形別使い分け(gran-clinic.jp作成・各製品添付文書に基づく)
「どこに症状があるかわからない」場合は、内外両方に使える**注入軟膏タイプ**が選択肢になります。
ボラギノールA注入軟膏・プリザエース注入軟膏Tはともに内側への注入と外側への塗布が可能です。
ボラギノールA軟膏
ボラギノールA注入軟膏
ボラギノールA坐剤
ステロイド配合の痔の薬を長期使用してはいけない理由
ボラギノールA・プリザエースにはステロイド成分(プレドニゾロン・ヒドロコルチゾン)が配合されています。添付文書では長期連用を避けることが推奨されており、一般的に10日間程度を目安に使用を見直すことが求められています。
長期使用のリスクとして以下が挙げられます:
- 皮膚が薄くなり、さらにかぶれやすくなる
- 感染(化膿)がある場合に悪化させる可能性
- ステロイドが症状を一時的に抑えているだけで、根本原因が改善しない
10日間使用しても改善しない場合は、市販薬での対処を続けず肛門科・消化器内科を受診してください。
市販薬とあわせてやるべき生活習慣の改善
市販薬は症状を緩和しますが、痔の根本原因となる生活習慣を改善しないと再発を繰り返します。
- **便秘の改善**:硬い便は肛門への負担が最大の要因です。
酸化マグネシウム配合の便秘薬などで便を柔らかく保つことは、肛門への負担を軽減し、再発を防ぐための大切なアプローチです。
👉 市販便秘薬の選び方はこちら
- **排便時のいきみを減らす**:いきみが強いと肛門への圧力が増します。
便意を感じたらすぐに行く・トイレでスマホを長時間使わない
- **長時間の座り続けを避ける**:テレワーク・デスクワークの方は1〜2時間に1回立つ習慣を
- **肛門を清潔に保つ**:ウォシュレットで優しく洗浄する(強い水圧で刺激しない)
受診すべき症状
⚠️ 以下のいずれかに当てはまる場合は肛門科・消化器内科を受診してください:
- 肛門から膿が出る・発熱を伴う(痔ろうの可能性。市販薬では対応不可)
- 出血が月4回以上続く
- 市販薬を10日間使っても改善しない
- いぼが肛門の外に出て戻らない
- 激しい痛みが続く
- 便が黒い・血便が続く(大腸がんなどの可能性)
特に出血は大腸がん・直腸がんの初期症状と区別がつきにくいため、「いつもの痔だから」と自己判断で市販薬を使い続けることは避けてください。
まとめ|痔の市販薬の正しい選び方
- いぼ痔・切れ痔は市販薬で対応できる。痔ろうは手術が必要なため受診を
- 出血が主症状ならプリザエース(止血成分テトラヒドロゾリン配合)が選択肢になります
- 痛み・腫れが主症状ならボラギノールA(刺激少ない)が選択肢になります
- ステロイド配合薬は10日を目安に。長期連用は避ける
- 剤形は患部の場所で選ぶ。内外両方ならば注入軟膏タイプ
- 便秘の改善が痔の根本的な再発防止につながります
- 膿・黒い便・10日以上改善しない場合は受診を優先
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【重要:免責事項とお願い】
この記事は認定薬剤師である監修者の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。
特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。
個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、必ず服用されている薬の主治医または薬剤師にご相談ください。
(※特に処方薬に関するアドバイスは、必ずお薬をもらった調剤薬局の薬剤師にご確認ください。)







