【薬剤師監修】熱中症と脱水症の違い|かくれ脱水のサインと注意すべき人

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【監修・運営責任者】 現役 管理薬剤師 兼 運営マネージャー

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  • ✔ 地域薬局・ドラッグストアでの一般の方への服薬指導・健康相談実績多数。
  • ✔ 本記事は、日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン」に基づき、監修者が内容の正確性と安全性を確認しています。

 

📋 この記事でわかること
✔ 熱中症と脱水症、それぞれの正確な定義と違い
✔ 「かくれ脱水」のサインと見逃しやすいポイント
✔ 脱水症は夏だけでなく一年中起こる理由
✔ 高齢者・子どもが特に注意すべき理由
✔ 症状の重さ別・対応の目安

「脱水症」と「熱中症」、ニュースなどでよく耳にするこの2つの言葉、実は同じものだと思っていませんか。

似ているようで、医学的にはそれぞれ異なる状態を指しています。

 

脱水症は「体内の水分・電解質が不足した状態」そのものを指し、季節を問わず一年中起こりえます。

一方、熱中症は「高温多湿な環境によって体温調節機能が破綻し、体に熱がこもった状態」を指し、脱水症はその原因の一つに位置づけられます。

つまり、熱中症は「暑さによる体温上昇(暑熱障害)」と「水分・電解質の不足(脱水症)」が複合して起こる病態であるという理解が正確です。

 

熱中症と脱水症、それぞれの定義

脱水症は、体内の水分が喪失した状態を指し、主に水分摂取不足や発汗、下痢、嘔吐などによって生じ、必ずしも高温環境下でなくても発生します。一方、熱中症は、暑い環境にいることで、体の熱をうまく外に出せず、体温調節機能が破綻して起こる疾患です。
出典:ユビーの病気QA|脱水症と熱中症の違い(日本救急医学会 熱中症診療ガイドライン2024参照)

 

【図①】熱中症と脱水症の関係

項目 脱水症 熱中症
定義 体内の水分・電解質が不足した状態 高温環境で体温調節機能が破綻した状態
起こる時期 一年中 主に暑い季節・環境
主な原因 水分摂取不足・発汗・下痢・嘔吐 高温多湿環境+水分・塩分不足
関係性 熱中症は脱水症を引き起こす原因の一つ。脱水症は熱中症の初期症状でもある

※図①:熱中症と脱水症の関係(gran-clinic.jp作成・日本救急医学会ガイドライン参照)

 

「かくれ脱水」に注意

💡 薬局での現場から:「喉が渇いていないから大丈夫」という考えは危険です。体重減少率1〜2%程度の軽度の脱水は「かくれ脱水」と呼ばれ、自覚症状がほとんどないまま進行することがあります。全体重の2%程度の水分を失うと喉の渇きを自覚するとされていますが、この時点ですでに軽度の脱水が始まっている状態です。喉が渇く前のこまめな水分補給が重要です。

 

体重減少率が進むにつれて、めまい・倦怠感・頭痛・吐き気・足のつり・しびれといった中等度の症状が現れ、さらに進行すると意識障害など重篤な状態に至ることもあります。

 

脱水症は季節を問わず一年中起こる

多くの方が「脱水症は夏だけの問題」と考えがちですが、これは誤解です。冬場の暖房が効いた室内でも、乾燥した空気の中で気づかないうちに水分は失われています。

また、下痢・嘔吐・発熱などの体調不良による水分喪失は季節に関係なく起こります。

一方、熱中症は高温多湿な環境が前提となるため、主に梅雨明けから真夏、時に季節の変わり目の急な気温上昇時(体が暑さに慣れていない「暑熱順化」が不十分な時期)に多く発生します。

 

特に注意が必要な人

【図②】熱中症・脱水症に特に注意が必要な人

対象 理由
高齢者 喉の渇きに気づきにくい・体温調節機能が低下している・体液量が少ない
乳幼児・小児 体表面積が広く脱水が急速に進行しやすい・自分で水分管理が難しい
部活動・屋外作業者 高温多湿の中で長時間活動する
持病のある方 糖尿病・心不全などで水分・電解質のバランスが崩れやすい

※図②:熱中症・脱水症に特に注意が必要な人(gran-clinic.jp作成)

 

高齢者は屋内でじっとしていても熱中症になるケースが多く報告されており、実際に熱中症の死亡者数の多くが屋内で発生しているというデータもあります。

「家の中にいるから安心」とは限らないことを知っておく必要があります。

 

予防と初期対応

日常的な予防

- 規則正しい食事をとる(1日に必要な水分の約半分は食事から摂取している)
- 室内ではエアコンの設定温度ではなく「実際の室温」を28℃以下(高齢者や持病のある方は26℃前後)に保つ
- 通気性の良い服装・帽子や日傘で暑さを避ける
- スポーツや長時間の屋外作業などで大量に汗をかくときは、水やお茶だけでなく経口補水液や塩分でナトリウムも補給する

 

症状が出たときの初期対応

1. 涼しい場所(クーラーの効いた室内・日陰)へ移動する
2. 衣服をゆるめ、皮膚に水をかけて扇風機などであおぐ(蒸発冷却)か、冷えたペットボトルなどで手のひらや首・脇・太ももの付け根を冷やす
3. 意識がある場合は、水分・電解質を含む飲料(経口補水液など)をゆっくり摂取する
4. 症状が改善しない場合はすぐに医療機関を受診、または救急要請する

 

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受診・救急要請を優先すべき症状

⚠️ 以下の症状があれば速やかに医療機関を受診、または救急要請してください:

  • 意識がもうろうとしている・呼びかけに反応が鈍い
  • 自分で水分を摂取できない
  • けいれんがある
  • 高体温が続く
  • 吐き気・嘔吐が続き水分が摂れない

 

まとめ|熱中症と脱水症の違い

- 脱水症は「体内の水分・電解質不足」という状態そのものを指し、一年中起こりうる
- 熱中症は「高温環境による体温調節機能の破綻」で、脱水症はその原因の一つ
- 「かくれ脱水」は自覚症状が乏しいため、喉が渇く前のこまめな水分補給が重要
- 高齢者・乳幼児・持病のある方は特に注意が必要
- 屋内でも熱中症は起こる。エアコンの適切な使用を心がける
- 意識障害・けいれん・水分が摂れない場合は速やかに受診・救急要請を

 


【重要:免責事項とお願い】

この記事は認定薬剤師である監修者の知見に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されています。

特定の症状や疾患の診断・治療を意図したものではありません。
個別の健康状態、薬剤の増量・減量、治療法については、必ず服用されている薬の主治医または薬剤師にご相談ください。
(※特に処方薬に関するアドバイスは、必ずお薬をもらった調剤薬局の薬剤師にご確認ください。)

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